霜降り明星せいやが語る“純度100%のお笑い番組”の面白さと難しさ「『ドキュメンタル』というバケモノに好かれる芸人になりたいです!」
──では本番当日、部屋に入って共演者の顔ぶれを知ったときは?
僕が部屋に入ったときにまず、後藤(輝基)さんとノブさんのお2人が見えたんですよ。「やった!」と思いましたね。「ドキュメンタル」って、ツッコミの役割がめっちゃ大事やと思うんです。特に僕はボケですから、ツッコミの人がどれだけ活躍しようが、自分とかぶることがないんで。しかも後藤さんとノブさんといえば、“ツッコミの2トップ”やないですか。これはすごい回になるなと思いました。
ただ、そこにもう一人、加藤(歩)さんの姿が目に入ってきて、「ヤバい、最悪や」と(笑)。これは僕とぶつかるぞ、と思ったんです。本番前までは、自分はおそらく一番若手ですし、先陣を切ってボケまくっていこうと思ってたんですね。でも、加藤さんは絶対パワー100%で来るやろうから、僕はボランチ的な動きもした方がいいんかなと、急きょ頭を切り替えて。で、さらに(ハリウッド)ザコシショウさんが入ってきたときに、「これ、俺がトップでボケるの無理やな」って諦めました(笑)。
やっぱり、出演するメンバーによって“出方”って変わるんですよ。それが「ドキュメンタル」の奥深さというか。視聴者の方にしてみたら、「こんな人が出るのか」っていうサプライズの楽しみがあると思うんですけど、プレイヤーからしたら、本番当日にメンバーが分かるまで何も計算できないっていうのは、なかなかつらいんですよね。
“泥臭く”っていうのはまだ甘い。泥どころか、ヘドロぐらいにならないと(笑)
──とはいえ、招待状をもらってから本番当日まで、いろいろと準備はされたと思うんですが、準備していたのに披露できなかったネタなどはありましたか?
あ、それはいっぱいあります。ただ、事前にいろいろネタを考えたんですけど、シーズン6までを見返すと、「これ、もうやってるんや」っていうこともいっぱいあって。けっこう出尽くしてるんですよね。だから、番組の中でも言いましたけど、ここはもう、自分にできることをひたすら真っすぐ、泥臭くやろうと思いました。番組に合わせて準備するというよりは、元々自分ができることを持っていったっていう感じです。
──その「真っすぐに、泥臭く」という当初の目標は、本番で達成できましたか?
案の定、ザコシショウさんと加藤さんのパワーに押し負けた感じで…(笑)。やっぱり「ドキュメンタル」はそんなに甘くないなと。お2人に負けずに自分も前に出なあかん、自分なりのマックスを出そう、という気持ちで頑張るんですけど、「ドキュメンタル」の規模に負けてしまうんですよ、自分のボケが。収録の最初の方は、計算しながら攻撃を仕掛けていけるんですけど、中盤を過ぎると、皆さん手数がなくなってきて、“地肩”の戦いになっていくんです。だから、“泥臭く”っていうのはまだ甘いんですよ、泥どころか、ヘドロぐらいにならないと(笑)。
Amazon Prime Videoで配信中(全5話)
出演:松本人志(ダウンタウン)、宮迫博之(雨上がり決死隊)、たむらけんじ、ハリウッドザコシショウ、小籔千豊、後藤輝基(フットボールアワー)、ハチミツ二郎(東京ダイナマイト)、加藤歩(ザブングル)、ノブ(千鳥)、みちお(トム・ブラウン)、せいや(霜降り明星)
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