渋谷・スクランブル交差点で首振りDolls旋風!
昭和歌謡が匂う楽曲も一つの武器として持つ彼らの楽曲には、“日本人の琴線に触れるメロディ”が存在する。そんな懐かしさと古着を選んだ衣装はとても馴染む。アートワーク面として、彼らはメイクにもこだわりを持っている。彼らのメイクの原点は、地元小倉の“めんたいロック”と彼らの音楽ルーツでもある洋楽のKISSやALICE COOPERといった往年のハードロックのオマージュからきているのだ。
「アリス・クーパーのオマージュ。俺はね、首振りDollsの前にやってたバンドのときから、バンド内で唯一俺だけメイクしてたし。俺はもうスターリンの遠藤ミチロウさんがメイクしてたのをずっと真似してたから。だからバンドはメイクするもんだ、みたいなのが最初からあんの。ミチロウさんを好きになったのは両親の影響。俺の中でロックをやる上でメイクは必然だったから」(ナオ)
「最初のライヴからメイクはしようと思ってて。これが普通って思ってたから。俺はハードロックからの影響もあるんだけど、最初は小倉の先輩ですね。俺が影響受けたメイクは。Tシャツジーパンが一番ダサいって教え込まれてきたから(笑)」(ジョニー)
「何か俺も気付いたらしてたんですよね。何でだろう…? 物心ついたら…何か目の周りを黒く塗るのが勝手に染み付いてたというか(笑)。
カッコイイなぁって。ホラーテイストが多分好きなんでしょうね。ホラー映画とかのあの感じからだと思います。たぶん、『アダムス・ファミリー』とか。その雰囲気、すごく好きなんですよね」(ショーン)
ファンクやミクスチャーという、ナオとジョニーとは異なる音楽ルーツを持つショーンは、楽曲を作るとき、映像から曲がつくられていくことが多いと言う。
「イメージというか、インスピレーションが大事かもしれない。何か映画やアニメのエンディングをイメージして書いたりとか。今回のアルバムの中だと、「ホール」は、勝手に好きなマンガのエンディング曲として作った曲なんです(笑)。そのアニメが何なのかという正解は、みんなで見つけてほしいかな。さて何のマンガでしょう? みたいな(笑)。優しい曲調っていうのがスーパーファミコンとかで、隠れた名曲というか、ドラクエやFFではない、隠れた名作と言われてるゲームのBGMみたいな曲を作ることが多いですね」(ショーン)
ロックスターに憧れ、そこをお手本に音をかき鳴らし始めた彼らの様子は、まさしく「ティーンネイジャーアンドロックンロール」(『アリス』収録曲)、の世界だ。そんな彼らの音は、若者だけではなく、昔ロックバンドに胸を掻き毟られていた“昔子供だった人達”、つまり“今はすっかりロックから身を引いてしまった大人”の胸にも響くに違いない。
取材・文●武市尚子
https://youtu.be/iaC0R8zNyHM