<いだてん>最終聖火ランナー役の井之脇海、2020年は「チャンスがあれば僕も関わりたい」

2019/12/08 06:00 配信

ドラマ

大河ドラマ「いだてん―」で坂井義則を演じる井之脇海(C)NHK

「生き様を上乗せできたら」


――井之脇さんの演じる坂井義則さんの印象はいかがでしょうか?

1964年の東京オリンピックの様子は、この役をいただく前からニュースやドキュメンタリーなどで知る機会があり、坂井義則さんの存在、そして原子爆弾が投下された1945 年の8月6日に広島で生まれた方ということも知っていました。そして、聖火台に登ったときの笑顔がすごく印象的で、その役がきたことに驚きました。

坂井さんはオリンピックへの出場を目指しながらも、代表選考会で敗退し夢がかなわなかった陸上選手です。でも、“たまたま原爆が投下された日に生まれた”という理由で聖火ランナーに選ばれるんですね。

実際の坂井さんも生前はその選考理由に葛藤があったことをインタビューで語っていたそうで、ドラマではその部分を膨らませて描いています。

この作品を通して坂井さんの葛藤を知ることができたので、その気持ちをしっかり表現しなければいけないなと責任感が生まれています。それに台本に描かれていない部分の生き様を上乗せできたら、もっと魅力的な人物になるのではと思っています。

――坂井さん以外の最終聖火ランナーについては知っていましたか?

坂井さんが最終ランナーだったことは知っていましたが、最後の8人全員が戦後生まれの10代だったことはこの作品で始めて知りました。

アスリートではない“普通の若い力”を見せつけることで、復興に強い意思やメッセージを込めていたんだと思いましたし、そういった史実を、ドラマを通して知っていただくことは意味があることだと思います。

――陸上選手の役ですが、走る練習はしたのでしょうか?

ランニングの監修をしてくださっている金哲彦さんに坂井さんのフォームに近づけるよう指導していただき、自分で走り込みをするなどトレーニングを積みました。

実は小学生のころは足が速くてちょっと大きな大会に出ることになったのですが、出場したらビリになっちゃって…。それがトラウマになってしまい、以来、走ることに苦手意識があって…(笑)。

ですが役作りのためにトレーニングを始めたところ、長い距離を走ってもバテないで走ることができています。もともと山登りが好きで体力には自信があったというのもあり、山に行けないときは街を走るのもいいなと思っています。