「たりないふたり」企画演出・安島隆氏、作家・佐藤満春が語るものとは?『一生に何度も見れるものじゃない』
――「さよなら たりないふたり―」のライブはどのように映りましたか?
安島:二人(山里、若林)は、9カ月くらい会っていなくて打ち合わせもしていませんでした。
そういう状況でライブが決まったけど、二人ともすごく忙しいし、だったらこのまま会わずに本番を迎えて、演出してみたいなと思いました。僕自身どうなるか分からなかったので、本番はお客さんとして楽しみました(笑)。
全く打ち合わせはしていなかったのですが、当日ルールとして舞台上で「一時間かけてネタを作ってください、その後漫才に入りましょう」ということだけ二人に伝えていました。
でも、若林くんはライブが開始して全くネタの話をせずに5分くらいで漫才を始めたんです(笑)。僕らも想定していなかったし、山ちゃんもそうなるとは考えていなかったと思います。
気付いたら、80分くらい漫才してました。これが、普通のフリートークではなくて、きちんと漫才になっているんです。
僕らが想定していたのは、一時間かけて漫才のネタを作って、20分くらいの漫才を披露して、最後に披露した漫才を振り返るトークをして、ライブのトータルが二時間くらいかなと思っていて。
佐藤さんが振り返りトーク用に舞台裏で、二人が話した漫才をホワイトボートに書いてくれていたんですが、80分の漫才だったので全く足りなくて(笑)。
佐藤:「もう一枚ホワイトボードないですか?」ってなりましたね(笑)。漫才が面白くて、ずっと書いてました。そのホワイトボードを元に、振り返っていこうと思っていたんですが、若林くんが「もう少し漫才できるんじゃないか」って。
そこで、急きょ二本漫才することになって。そういうプランを想定していなかったので、「いつまで漫才するんだろう」とドキドキしちゃいました(笑)。
作家として入らせていただいていますが、「たりないふたり」のファンとして、楽しみにしていました。安島さんが「一度も打ち合わせしない」って言ったときは「この人、頭おかしいのかな」と思いましたよ(笑)。
でも、二人とも天才だし、安島さんがそう言うならというのもありましたし、僕も作家としてやってみたいなって。何が起きるのか分からないまま当日を迎えて、ネタ作りに一時間かかることを想定していたのに若林くんは5分で漫才始めちゃって、裏は超バタつくってことも(笑)。
漫才は、想定の時間よりも長いのに、全部面白くて。漫才は、本来なら台本に落とし込んで、ボケ・ツッコミ・間を練習して作品にするんですよね。
でも、それを一度もせずに、なんなら今思いついたことを絶妙なワードでボケたりツッコんだりできることがすごいですよね。
さらに、ずっと爆笑が続いて…。二人のことは天才だと分かっていましたが、怖くなっちゃいました。「どうなっちゃうんだろう」って。事前の打ち合わせがなかったことも、うまく転がったのかなと思います。
安島:二人とも売れっ子さんで、「打ち合わせをしない」というギャンブルみたいなことしなくてもいいのに、勇気があるなと思いました。
佐藤:40代過ぎると安心を取っちゃいますからね(笑)。
「さよなら たりないふたり~テレビ ver.~」
夜1:59-2:59
日本テレビ系にて放送※関東ローカル
「Hulu傑作SP さよなら たりないふたり」
「―テレビ ver.」放送終了後Huluにて3時間の完全版が公開される
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