【新日本プロレス1.4東京ドーム】ライガー引退試合に千両役者集う 5日ファイナルゴングへ
新日本プロレスの史上最大の祭典が、今年はダブルドーム(1月4&5両日、東京ドーム)となって開催される。例年の「イッテンヨン」(1・4)に、今年は初めて「イッテンゴ」(1・5)が追加。業界のトップランナーである新日本が、その意地とプライドを見せつけるべく、初日の4日には8年ぶりに4万人の大台を突破(主催者発表40,008人=満員)。「イッテンヨン」という定着したブランド力と好カードが、高い人気を後押しした。
獣神サンダー・ライガー引退試合1
タイガーマスク&ザ・グレート・サスケ&藤波辰爾&●獣神サンダー・ライガー、withエル・サムライ(8分52秒、どどん→エビ固め)○田口隆祐&高岩竜一&大谷晋二郎&佐野直喜、with小林邦昭/特別レフェリー:保永昇男
ドーム2連戦の第1試合は、ライガーの引退試合で幕開け。“世界の獣神”のファイナルロードを華麗に彩るべく、リングアナウンサーは新日本黄金期を盛り立てたケロちゃん(田中秀和氏)が古巣に回帰。対角線上のセコンドには89年4月24日、東京ドーム大会でのデビュー戦の相手である小林氏が付き、同期でライバルの佐野がコーナーに立つ。
一方、パートナーの藤波は、ライガーがプロレス入りするきっかけとなった憧れの人。サスケとサムライはジュニア戦線をハイブランドに押し上げた戦友とあって、まさに千両役者がそろった。
試合開始のゴングと同時に、ライガーと佐野の同期対決。佐野の場外トペで劣勢に立たされたライガーだが、5分過ぎには雪崩式フランケンシュタイナーを決めて形勢逆転。フィニッシュは、現在のジュニア戦士の筆頭格である田口が放つケツイェからのどどんで、ライガーが無念の3カウントを聞いた。
試合後、全選手から労いの言葉を受けたライガーは、「藤波さんは僕がプロレスラーになるきっかけを与えてくれた方。その方に最後、リングの上で手を挙げていただいた。ただ感謝です! プロレスファンになった頃から、ずっとケロさんだったので、あえて“ケロさん”と呼ばせてもらいますけども、(リングコールしてもらえて)うれしかったですね。みんなに感謝ですけど、感謝の言葉を述べるのは1日早い」と、感傷に浸らないのがライガー流。
「(5日にタッグで対決する高橋)ヒロム選手は今日、ジュニアのタイトルマッチ(IWGPジュニアヘビー選手権戦)があります。ベルトを奪取して、チャンピオンとして僕の対角線に立ってくることを願っています」
高橋は同タイトルマッチで、王者のウィル・オスプレイを下して、第85代IWGPジュニアヘビー級王座に君臨。ライガーのお望みどおり、5日の引退試合ではチャンピオンとして対峙することが決定した(ライガー&佐野with藤原喜明vsリュウ・リー&高橋)。
ライガーのファイナルゴング、オカダvs内藤の2冠戦、さらに“100年に一人の逸材”棚橋弘至の出陣ほか、「イッテンゴ」も注目ラインナップが満載。当日券の情報は、新日本プロレスのホームページから。また、1・5東京ドーム決戦は「新日本プロレスワールド」で生配信される。
文=伊藤雅奈子