【新日本プロレス1.5東京ドーム】内藤哲也 オカダを破り史上初の2冠もKENTA襲撃のバッドエンド
プロレス界初となった東京ドーム2連戦(1月4日&5日)は、2日間で70,071人を動員して、大成功のうち幕を閉じた。“国民的マスクマン”獣神サンダー・ライガーの引退記念試合があり、新日本マット史上初の2冠戦で内藤哲也が新王者になった直後のKENTA乱入で、ドームが「帰れ」コールに包まれるなど、波乱に満ちた1日となった。
<IWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタル・ダブル選手権試合>
〇内藤哲也(35分37秒、デスティーノ→片エビ固め)●オカダ・カズチカ
天国から地獄へ。“制御不能のカリスマ”内藤が新日本マット史上初のIWGPダブルタイトルを奪取したが、KENTAに急襲されてドン底に。東京ドームが大ブーイングに包まれた。
内藤は前日(4日)のドーム大会で、第23代IWGPインターコンチネンタル王者のジェイ・ホワイトを倒して、新王者に君臨。同日にIWGPヘビー級選手権戦でV5をはたしたオカダと、ダブルタイトルを賭けて対戦することとなった。
IWGPの頂上決戦。試合は、両者にとって前日に続いて30分を超える長期戦となった。
前半では、内藤がオカダの首を果敢に攻めた。対するオカダは、前日のジェイ戦で左ヒザを痛めた内藤に向かって、左足折り式のアトミック・ドロップを場外の長机に向かって一撃。ヒザを抱えて苦悶に満ちる内藤は、グロリアで反撃した。25分を過ぎたころ、エルボー合戦で限界を突破した2人。フィニッシュは、この日2発目のデスティーノを完ぺきに決めた内藤がカウント3を奪い、2本のベルトを手に入れた。
「オカダ、東京ドームのメインイベントでの勝利、すごく気持ちいいな。またいつか、東京ドームのメインイベントで勝負しようぜ」とマイクで叫ぶと、万雷の拍手が新王者を祝福。「逆転の内藤哲也、堪能していただけましたでしょうか?」と盛り上げ「新日本プロレス、東京ドーム2連戦、最後の締めはもちろん、(以下ファンと合唱)EVIL、BUSHI、SANADA、ヒロム、鷹木、イ・内藤。ノスオトロス。ロス。インゴベルルルルナーブレーース…」とテンションマックスのところで、KENTAが乱入してぶっ壊し。大ブーイング、「帰れ」コールまで沸きあがった。
不敵な笑みを浮かべてリングを下りたKENTAはインタビューブースで、「最高だったな。大合唱したかったんだろ、あいつら。させてやったじゃねぇかよ、『ブー!』って。何が2冠だよ。史上初? やらせるかよ。まだまだ行くぞ。2020年、俺の年だよ、俺の年」と咆哮した。
令和初にして、マット界初のドーム連戦。そのラストを締めくくったのは、まさかのKENTA。内藤はノーコメントのまま控室へ。嵐の前の静けさか。新日本マット、慟哭だ。
文=伊藤雅奈子