「クリエイターズ・ファイル」#20 子役 上杉みち
―難しそうなシーンだったけど、うまくできたかな?
みち「ちょっとだけ緊張したけど、できたと思う」
―涙まで流していたね。どうやって泣いたの?
みち「んー、悲しいこととか考えたりしてた」
―どんなこと?
みち「パパやママが死んじゃったこととか、ぼくの飼ってるゴールデンレトリバーの「元気」が死んじゃったらいやだとか」
―みちくんは、なんでお芝居をやろうと思ったの?
みち「パパが、お遊戯会で活躍したいんだったら、演技をちゃんと先生に習いなさいって言って、いまのトリビュート・ブルー・アカデミーていう事務所に連れて行ってもらったから」
―それから「劇団えんきんほう」に入ったの?
みち「うん。学校の友だちも入ってたし。ボクも入りたいって思った」
―演技はどう? うまくなった?
みち「わかんない。でもね、ボク、あんまり演技の練習、好きじゃないんだ。だって先生厳しいから」
―(一同)ハハハハハ。そうなんだ。
みち「ねえ、みゆきさんはお芝居好きなの?」
佐藤「好きだよ」
みち「なんで?」
佐藤「観てくれる人が泣いたり笑ったりしてくれるからかな」
みち「じゃあボクも、もっと好きにならなきゃ」
―(一同)ハハハハハ。吸収が早いね(笑)。世の中にはみちくんみたいに子役と呼ばれる人がたくさんいるけど、ライバルはいる?
みち「あんまりいない。だけど、『九官鳥リリーの倦怠期』の撮影でいっしょにがんばった田中道徳くんや、本田りゅうせいくん。あと、『神様がくれた4カ条』で妹役をやってくれた石森ヘブンちゃんとかは負けたくないです」
―(一同)ハハハハハ。けっこういるんだね。おもしろいね(笑)。
子どもらしい表情を見せたかと思えば、すぐに次のシーンの準備を始めるみちくん。母・綾子さんとセリフのチェックをするがうまくいかず、泣き出す一面もあったが、そんなときもお母さんの表情は愛と厳しさに満ちている。
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