仮歌の完璧な再現で身に付いた“つんく♂歌唱”
――田中さんと言えば、俗に言う“つんく♂歌唱”がファンの間で有名です。つんく♂さんは「彼女(田中)の歌は気持ちいい」と評していますが、田中さん自身はその歌唱を今でも意識されているんですか?
田中れいな:曲によるかなあ、という感じです。別に全ての曲をつんく♂さんのように歌おうとは思っていないし、無意識なところもあるし…。分からないです(笑)。“つんく♂歌唱”って何ですか? 逆に教えてほしいです。
――16ビートと細かいリズムはもちろんですけど、裏声や子音の強さ、語尾の上ずり、「明る“うぃ”(い)」とかの発音。主にそういった特徴が“つんく♂歌唱”と言われているようですね。特に田中さんの歌唱は、それに加えて、一音一音の立ち方がきれいで、キレがあると思います。
田中:難しいですね(笑)。当時は当たり前のようにつんく♂さんの仮歌があって、コピーしろとは言われませんでしたが、つんく♂さんの仮歌って、最高のお手本じゃないですか。そこに自分流を入れて歌うメンバーもいたんですが、私はそれが逆に分からなかったんですよね。「このお手本通りに歌えたらめっちゃ上手くなるのに」って。
「シャボン玉」も、当時の新メンバー(亀井絵里、道重さゆみ、田中れいな)だけ録り直したんですよね。つんく♂さんがすごくこだわっていた曲で、レコーディングを終えたあと、新メンバーだけがまた呼ばれて。そのとき、つんく♂さんが目の前で歌ってくださったんです。対応力もそういうので付いたと思いますね。「もう一回歌ってください」なんて言えないから、めっちゃ集中して聴いていました。
つんく♂さんは「こういう風に歌ってほしい」と思って仮歌を入れているわけだから、それを完璧に再現するのが正解だと思っていて、“つんく♂歌唱”というのはそれで自然と身に付いたんだと思います。
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