菅田将暉、「(妻と娘の)幸せな姿を見て泣くというのは究極だった」<映画「糸」連載その2>
年を重ねてあの時の出会いは縁だったと気付くことばかり
――人生の中のターニングポイントがいくつも描かれた作品でしたが、ご自身のターニングポイントを教えてください。
映画「共喰い」(2013年)です。青山真治監督にすごくしごかれたのですが、終わった後、「あと5本は主演作を撮りたい」と言ってくださって。まだ叶っていないので早く一緒にやりたいです。ちなみに僕の舞台にも来てくださって…。幕間に楽屋に戻ったら差し入れが置いてあったんですよ。もうその時は、「見られている~」と感じてガチガチになっちゃいましたね(笑)。今でも恩師です。一緒に作品を作ることがあったら、絶対、成長した姿を見せたいと思っています
――人との縁も描かれていました。最近、縁を感じることはありますか?
10年くらいこの仕事をしていると、2回目3回目と仕事をする人が増えてきました。昨年、ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(2019年日本テレビ系)をやらせていただきましたが、これも7年くらい前に出会ったプロデューサーといつか一緒に作品をやりたいと言っていたのが叶ったからなんです。当時はできなかったことがお互いに頑張ってきて、ある程度自由ができるようになった今だから形になったというか。そういうことが本当に増えました。年を重ねてあの時の出会いは縁だったと気付くことばかりです。
――今回共演した小松さんとも今回で3度目の共演になりました。
そうなんです。こうやって一緒に共演できたのもまたひとつの縁。面白いなと感じました。そんな運命の面白さや人の強さが描かれている作品ですので、ぜひ劇場で楽しんでいただきたいです。
映画「糸」あらすじ
花火大会で出会い、恋に落ちた漣と葵。ある日、葵が養父からの虐待されていると知った漣は、葵と共に逃げることを決意するがすぐに警察に見つかり、2人は離れ離れに。8年後、北海道のチーズ工房で働いていた漣(菅田)は、東京で行われた友人の結婚式で葵(小松)と再会する。
すだ・まさき=1993年2月21日生まれ、大阪府出身。A型。2021年公開の映画「花束みたいな恋をした」「キネマの神様」などを控えている
取材・文=玉置晴子