“じわ怖”ホラー「あの子が生まれる…」で新境地に挑戦? 森田望智が初主演作で見せた新しい顔〈インタビュー〉
「演じたことのない役や作品は学びがあるのでどんどんチャレンジしていきたい」と語るのは「全裸監督」(2019年Netflix)で話題を集めた森田望智。彼女が初主演を務めるドラマ「あの子が生まれる…」(FODで毎週土曜夜0:00配信)は、「リング」シリーズを手掛けた作家・鈴木光司が書き下ろしたホラー作品。
「鈴木さんのオリジナルと聞いて、うれしい半面ゾワゾワする怖さを感じました。やはり鈴木さんといえばジワリとくる怖さなので、今回もそうなるのかなと。台本を読むと、主人公だけではなく周りに生きている人たちの嫉妬や悲しさ、憎悪といった人間の負の部分の感情が丁寧に描かれていて、やはり人が一番怖いと感じました。衝撃的なことが次々と起こるというより、じわじわと何かに追われているような、そんな怖さを味わっていただきたいです」
森田演じる今泉菜央は、由緒ある総合病院に勤める看護師。身元不明の妊婦・英子(小倉優香)が運ばれてきたことから歯車が狂い始める。
「菜央は過去に対して後ろめたい気持ちを抱えて生きているのですが、それは多かれ少なかれ誰しもが持っている感情なので共感できました。そしてそんな過去を忘れず前に進んでいく姿は強いですよ。感情をパッと出すタイプではないですが、たくましかった。私ならすぐに思ったことが顔に出てしまうので、英子と一緒にいたら怖い!と逃げてしまうかも(笑)。感情が表に出ない菜央の微妙な心の動きを感じてほしいです」
映像としては映らないその場の空気や微妙な雰囲気の違いで怖さを表現するのがホラー作品の魅力。
「映り方をきちんと考えないと怖くなかったりするため、監督はすごくこだわりを持って演出されていました。小倉さん演じる英子は、よく笑顔を見せるのですがそれがすごく不気味で怖い。そんな笑顔も口角を数ミリ単位で上げ下げして試行錯誤して作っていたのはさすがです。私自身は、役を演じるときは毎回、この世に存在していると思ってもらいたいので、ホラーだからとは考えず、純粋にその場で感じる心の動きを大切にしました。どうしてもホラーといえばオーバーに怖がったり叫んだりするイメージがあるのですが、今回はそのような動きはせずにどちらかといえばリアル。やはり実際に怖いときって体が縮んで動けないと思うんです。そのリアル感でより怖がっていただけたらうれしいです」