「SWEET LOVE SHOWER」開幕!ゲスの極み乙女。が“晴れバンド”ぶりを発揮
8月29日から31日(日)までの3日間、山梨・山中湖 交流プラザ きららにて行われている野外ロックフェスティバル「SWEET LOVE SHOWER 2014」。ことしも豪華な顔ぶれがそろった同フェスの、初日の模様をリポートする。
メーンステージとなるLAKESIDE STAGEのトップバッターはエレファントカシマシ。朝10時半からの出番にもかかわらず多くの人が詰めかけた。宮本浩次(Vo、Gt)が「おはようございます。(天気がもってくれて)良かったね」と語り、「ちょっと懐かしい曲を」という言葉とともに最初に演奏されたのは、'88年の楽曲「おはよう こんにちは」。フェスの開幕を告げるにふさわしいこの曲に、客席から大きな歓声が挙がった。
その後は「悲しみの果て」や「今宵の月のように」といった大ヒットナンバーを惜しげもなく披露。さらにことしでSPACE SHOWER TVが開局25周年を迎えたことにも触れながら、「25周年おめでとうございます!ちょっと持ち上げてみました(笑)」(宮本)と笑いを誘う一幕も。新旧の楽曲を織り交ぜながら、最後は「ガストロンジャー」で締める王道のセットリストに、朝早くから集まった観客も納得のパフォーマンスだった。
後ろに富士山を望めることからその名が付いたMt.FUJI STAGEでは、OPENING ACTのボールズ(ex.ミラーマン)の後、ゲスの極み乙女。が登場。「餅ガール」では、客席に向かってメンバーがお餅を投げる一幕も。川谷絵音(Vo、Gt)は「きょうでことし6個目のフェスなんだけど、僕らの前で全部晴れてるんですよ」と“晴れバンド”ぶりをアピール。実際にライブ中太陽が顔をのぞかせ、終始天気が不安定だったこの日で唯一の晴れ間となった。
CMなどで彼らの楽曲を耳にする機会も増えたが、その中でも「アラサーちゃん 無修正」(テレビ東京系)のオープニングテーマとして話題の「猟奇的なキスを私にして」を披露し観客を沸かせた。また、この日テレビの音楽番組へ出演することになっていた彼らだが、川谷は「(初日のトリの)andymoriがすごく見たいんですよ。本当は残りたいんだけど…」と残念がる。最後は「キラーボール」で大盛り上がりのうちに幕を閉じた。
続いてLAKESIDE STAGEでは、きゃりーぱみゅぱみゅのライブがスタート。冒頭の「インベーダーインベーダー」から、おなじみのバックダンサーを従えての一糸乱れぬパフォーマンスを展開。耳なじみの良いメロディーと印象的なフレーズで、一度聴いたら忘れないきゃりーの楽曲だが、普段よりも重低音が強調された“ライブ仕様”の音でロックリスナーも踊らせていく。「にんじゃりばんばん」ではきゃりー直々に振り付けを伝授し、観客も見事にそれに応えていた。圧倒的な楽曲認知度を誇るきゃりーだけに、ラストの「ファッションモンスター」までキラーチューンぞろい。フェスの舞台でも見事に存在感を発揮していた。
会場の最も奥に位置するFOREST STAGEでは、HAPPYのステージが。平均年齢20歳の幼なじみ5人組という彼らだが、その若さからは想像もつかない、60年代のロックを想起させるようなサウンドで話題を集めている。ライブでもその“早熟ぶり”をいかんなく発揮。サイケデリックなバンドサウンドを見せたかと思えば、次の曲ではちゅうちょなく打ち込みも用い、パートチェンジまでフレキシブルに行う柔軟さも。今後どんなバンドになっていくのか注目したい。
ナオト・インティライミやthe HIATUSが熱いライブを行った後、登場したのはフジファブリック。山内総一郎(Vo、Gt)は「フジファブリックと言えばココですよ。(亡くなった元ボーカルの)志村(正彦)君の故郷っていうのもあるし、フジファブリックにとって“第二の故郷”と言っても過言ではないです」と、フェスや会場への思いを明かした。さらに志村が生前最後に作った「夜明けのBEAT」も披露。頭上でギターを弾くという山内のトリッキーな技も飛び出した。
9mm Parabellum Bulletは、冒頭の「Discommunication」から猛烈なテンションで演奏を繰り広げる。それに触発された観客たちも、地面が揺れるほどの激しい盛り上がりで応えていく。このあたりから雨脚が強まるタイミングもあったが、むしろそれに呼応するように熱を帯びていく彼らのパフォーマンス。前方ではクラウドサーフが発生するなど、演者も観客も大いに汗をかいたライブとなった。
'14年8月29日~31日(日)
山梨・山中湖 交流プラザ きららにて開催