「R-1」直前インタビュー【厚切りジェイソン】
一人芸の日本一を決める「R-1ぐらんぷり2015」の決勝が、2月10日(火)夜7時からフジ系で放送される。放送直前に、9人の決勝進出者をそれぞれ直撃。アメリカ出身のファイナリスト、厚切りジェイソンに話を聞いた。
――厚切りジェイソンさんにとってR-1ぐらんぷりとは?
「ピン芸人の一番面白い人を決める大会、芸歴は浅いんですけど、昔からお笑い好きとしてずっと見てきた大会なので、まさか自分で出るとは思ってませんでした。出てみて決勝まで残ってビックリです」
――芸歴5カ月目ですが、芸人になろうと思ったきっかけは?
「今は会社の役員をやっているんですけど、家族もいるわけでなかなか辞められないという状況で。でも『いつか芸人をやってみたいな』とずっと思っていて。で、ある日ザブングルさんのお笑いライブを見に行ったことがありまして。その時は『腕力に自信がある人はいますか?』という企画で、『ぜひやらせてください』と舞台に上がって、多分1000人くらいの前で加藤さんと腕相撲をする機会をいただきました。勝ったんですけど、「悔しいです!」と言われて(笑)。そのあとに僕の名刺を渡して『メールくださいね』って加藤さんに言ったら本当にメールをくださいまして、飲みに連れて行ってもらいました。そこでワタナベコメディスクールの話をしていただきまして、週末コースもあるということでしたので、会社を辞めないでそのまま通えるということが分かって、翌日申し込みました」
――もともと日本のお笑いは好きだったんですか?
「そうですね、もともと好きでした。初めて日本に来たのは'05年で、日本語が全然できなかった時期なんですけど、ネタ番組が大ブームで。それを見てみんなが笑っていて『楽しそうだな』と思って、それでずっと勉強し続けました」
――自分でテレビを見て勉強したんですね
「当時は『エンタの神様』('03年ほか日本テレビ系)なんですけど。ネタ番組で、例えばリズムネタ。リズムに合わせてテロップが出て、オチの部分だけが違う色になっていたり、大きくなったり。みんなそこで笑っているなと。何でそれが面白いのかと、後で辞書で調べて単語帳を作っていました」
――アメリカ人と日本人だと笑いのツボは違いますか?
「全然違いますね。アメリカのお笑いは皮肉とか、政治とかが多いんですけど。養成所で一回そういうネタをやってみたんですけど、『アメリカでは絶対にウケるだろう』と思って日本でやったら、もうスベッちゃって。ビリでしたね、その時」
――ご自身の強みはどんなところですか?
「他の芸人さんと視点が違う、他のところから物を見て思い付くところですかね。今まであんまり外国人は出ていないと思いますけど、今までのネタとちょっと違う視点から見てるのは強みですかね」
――他の決勝進出者からライバル視され、準決勝の観客投票1位だったことについてはいかがですか?
「ビックリしました。うれしいですね」
――周りの人たちには決勝進出を報告しましたか?
「まだ報告してないです。きょうは『大事な記者会見がありますんで休日をいただきます』と伝えただけです(笑)。今夜は役員会があって、それに間に合うように戻ります」
――六本木ヒルズとか似合いそうですね。
「ありがとうございます、厚木から来ました、厚切りジェイソンです! 厚木から来たから“厚切り”っていうのもあるんですけど、なかなか拾ってもらえない(笑)」
――優勝して、役員と芸人の両立が難しくなったらどうしますか?
「もう十分難しくなってきているんですけど、できるところまでは両立したいですね。その時が来たら考えます」
――ネタ番組を見ていたころ好きだった芸人は?
「アクセルホッパー(永井佑一郎)さん。もうちょっと後になってからザブングルさんも大好きになって。(ザブングルは)恩人ですね。(加藤歩には)決勝はまだ報告してないです。準決勝まで残っているのは言ったんですけど。『ジェイソンやるな、おめでとう』と喜んでいただきました」
――準決勝での手応えはいかがでしたか?
「ちょっとありましたけど、まさか1位だとは思っていませんでした。『行ったかな』とはちょっとだけ思ってましたけど、他の人もウケてて大物ばっかり残っていたので、まさか(芸歴)5カ月目でいけると思ってませんでした」
――役員と芸人の両立の中で、ネタ作りの時間はどうしてるんですか?
「通勤電車だけです。片道90分くらいあるので、電車に乗りながら毎日3時間くらい、ケータイとかで。漢字ネタをメーンでやってるんですけど、日常に出てくる漢字を『ツッコめるな』と思ったらノートを取るとか」
――ネタのストックは?
「気になってるのは多いんですけど、一番大事なのはジェイソンが気になっているところは日本人が共感できるかということ。だから気になってるのはほとんどですよ。なんでそれを気になっているのか共感できるかどうかは、どうでしょうかね。ライブで試すときもあります」
――最後に意気込みをお願いします
「ここまで来るのであれば、最後までやり尽くすしかないですね。優勝に向けて全力で頑張ります。以上!!」
2月10日(火)夜7:00-8:54
フジ系で放送
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