まちゃまちゃ語る 松本人志と「MHK」の裏側
'10年10月にパイロット版が放送され、翌'11年から'12年3月にかけ、全5回にわたってシリーズとして放送された「松本人志のコント MHK」がこのたびDVD化された。
松本にとって10年ぶりのコント披露の場となった同作は、企画・作・構成のすべてを自身が手掛けた力作として、放送当時も大きな話題となった。満を持してリリースされる今回のDVDには、放送されたすべてのコントとメーキングなどの特典映像を収録。その中で、「名探偵 三河安城シリーズ『ゴリ神家の一族』」に出演した孤高の女芸人・まちゃまちゃが撮影当時の様子を振り返った。
――まずは、出演オファーが届いた時のお気持ちを教えてください。
「もうね、何も言えなかったですよ。だって、松本さんが作っていたコント番組などを見て芸人を目指した自分が、一緒に出ちゃっていいんですか!?って感じで。オファーがきた後、割とすぐに撮影だったんだけど、その数日間は生きた心地がしなかったね。いや、もちろん、うれしかったんだけど。それ以上に『やべぇぞ!!』っていう気持ちのほうが強かったのは間違いないっすよ」
――撮影現場でも緊張しっぱなしだったのでしょうか？
「まあ、そう…いや、違う…かな？ 時間がたって忘れちゃった…っていうわけじゃなく、とりあえず、記憶がないよ。まあ、それぐらい緊張してたってことかな。あのね、松本さんとご一緒するだけでもめちゃくちゃすごい体験でしょ。それに加えて、ほとんどやったことがない本格的なコントの仕事だよ!? ダメ押しとして、その舞台が天下のNHKっていうんだからさ。NHK、ほとんど出入りしたことないんだから！ なおかつ親友の氣志團が出入り禁止になっているっていうね…。そりゃビビるでしょ。あと、あのコントは保阪尚希さんや小沢真珠さんみたいな本物の俳優も出てたからハンパじゃなくて。もし、『平常心で』っていうヤツがいたら、『テメェがやってみろよ！』って言い返してもバチが当たらない状況だったね」
――コント作りをする松本さんは、他のバラエティーで共演するときと違いましたか？
「いや、それは特になかったかも。『おはようございます！』ってあいさつしたら、片手を挙げて『うぃっす』って感じでいつも通りだったから。撮影中も何かダメ出しされるとか、演出のために何か言われるってことはなかったなぁ。でも、それが逆に怖くって。『そのままでOK』ってことなのか、『こいつはダメだから言ってもしょうがない』って思われてるのか分からず…。ただ、作品によっては1本撮るのに丸一日かけたりしたみたいだけど、このコントは割とすんなり終わった気がする」
――『MHK』に出演した後、周りからはどのような反応がありましたか？
「あんまり家族とか友達に、自分の出演番組のことは言わないんですよ。でも、このときはやっぱり反響がデカかったなぁ。友達は『やったじゃん！』ってテンション上がってたし、姉ちゃんも『松ちゃんと…一緒に…コントを…』って絶句してたし。あらためて、みんなにとって特別な番組だったんだなって思うね。自分が出演していないコントでも、面白いのがいっぱいあったし。『クワガタ男』では松本さんと今田（耕司）さんが共演したでしょ。あれなんかは本当に、いちファンとして見ちゃったね。あとは、『ヘレン』。もう、これ大好きっ！ ぜひDVDで見てほしいんだけど、あのシンプルなコントのために、家一軒と隣のマンションのセットを立てちゃってるからすごいよね。しかもザンザン雨を降らせたりして、とにかくすごい。いや～、こんなぜいたくな番組、今はないよ。出演できてよかった～！ 吉本に入ってもうじき20年になるけど、初めてだね。吉本芸人で良かった！って思うのは」
――そんな思い出深い作品を、どんな人たちに見てもらいたいですか？
「松本さんのコントをリアルタイムで見たことがないような、若い世代に見てほしいっすね。なんていうか、スマホやパソ（PC）をいじってる若い世代にとっての“お笑い”って、1分、2分ぐらいしかないショートなネタがほとんどでしょ。そうじゃなくて、プロが本気で時間をかけてじっくり作り込んだ笑いを、体で感じてほしいと思う。あと、若手芸人やお笑いの道を目指してるヤツらにも。どんな風に見えるのかな？ まぁ、松本さんのすごさは確実に伝わると思うんだよね。自分の出演シーンに関しては…（再生された映像を見ながら）…とりあえず、ヅラをかぶった私、姉ちゃんにそっくりっす（苦笑）」
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発行：NHKエンタープライズ
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