ザテレビジョンがおくるドラマアカデミー賞は、国内の地上波連続ドラマを読者、審査員、TV記者の投票によって部門別にNo.1を決定する特集です。

最優秀作品賞から、主演・助演男女優賞、ドラマソング賞までさまざまな観点からドラマを表彰します。

第119回ザテレビジョンドラマアカデミー賞主演女優賞 受賞インタビュー

(C)NHK

趣里

素晴らしいキャスト&スタッフの皆さんと駆け抜けた一年…ほんま、おおきに!

受賞のご感想をお聞かせください。

素晴らしいキャストの皆さん、スタッフの皆さんと駆け抜けた一年でした。視聴者の皆さまに支えられ、かけがえのない時間を過ごせたと感じています。たくさんの声を頂き感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。

福来スズ子を演じるにあたり、意識されていたことを教えてください。物語の前半と後半で意識する点も変化していましたか?

足立(紳)さん、櫻井(剛)さんの脚本の色でもある「つらいことがあっても笑う」や、完璧な人間はいないけれど、悩んでいても最終的にはポジティブであること、人の可笑(おか)しみ、「ズキズキワクワク」ということは常に意識していました。

そしてその根底にあるのは「歌を愛している」ということ、家族や歌劇団の仲間と過ごした時間というものがスズ子の原点であるということ、人と人がつながって“今”のスズ子があること。後半は愛する人を失い、守るべきものができた中で若い時代とは異なる種類の葛藤がたくさん出てきたので、それも常に意識の中にありました。母になることの難しさや、大人になって芽生える許すことを知っていくという変化は感じていました。

プロとして舞台に立っているという意識はステージシーンを重ねるごとに強くなり、自然と責任感や楽しんでもらいたいという気持ちが大きくなっていった感覚があります。


普段のお芝居と違い、やはり歌と踊りのシーンは大変だったと思います。読者からの投票理由には「小柄なのに歌声やステージでのパフォーマンスはすごく迫力があって圧倒された」などの声が届きました。ステージシーンなどで苦労されたことはありますか。

本当に素敵な感想をありがとうございます。とてもうれしいです!

振り返ると、ステージシーンはたくさんテークを重ね、1日に複数演目を演じるので体力の配分などが大変だったのかなあと感じますが、舞台演出の荻田浩一先生や、振り付けの木下菜津子先生やダンサー、エキストラの皆さまに支えられ、ステージシーンの撮影はとても楽しかったです。

私よりも、時間があまりない中で、ヘアメークさんや衣装部さん、技術部の皆さまが大変だっただろうなと思います。その皆さまのエネルギーも感じながら舞台に立つことができました。


印象深いセリフやシーンがあれば教えてください。

数え切れないぐらいたくさんありますが、まず、お父ちゃん役の柳葉敏郎さんとの「父ちゃんブギ」のシーンは、本当に心に残りました。

血のつながりを超えた愛を、水川あさみさん、柳葉さんがお芝居を通して教えてくれました。柳葉さんが秋田の名物をくださったり、現場でとても優しく「スズ子、頑張ってるか!」と毎回声をかけてくださり支えられていました。

そしてやはり、後半の草彅剛さん演じる羽鳥善一先生とのやりとりは忘れられない瞬間がたくさんありました。これまで積み重ねてきた時間があったからこそ、羽鳥先生から「絶縁します」と言われた時の衝撃がものすごく、本当に心の底から一緒に過ごしてきた時間の重みを感じられました。草彅さんは常に明るく現場にいてくださり、会うたびにお話しできることがとても楽しく支えになってくれていました。感謝の気持ちでいっぱいです!

半年間の放送という長期スパンの作品を乗り切ったときの思い、クランクアップでのエピソードを教えてください。

終わるとは思えない日々でしたので(笑)、「本当に終わったのか…来週もありそうだ」と思っていましたが、今ようやく終わったんだなと感じています(笑)。本当に自分がこのような1年を過ごせるとは思っていなかったので、改めて、たくさんの方々に支えられて、走り切れたなと感じています。

クランクアップでは、セレモニーというものがあり、音楽の演奏や、映像を作ってくださったり、最後まで初めての経験をさせていただきました。娘役のこのかちゃんがクランクアップの挨拶で「今までの人生で一番楽しかったです」と話していたのがとても印象的で、ご一緒する現場でそのように感じてくれたんだと心からうれしくホッとした気持ちになったのを覚えています。

たくさんのスタッフさんともっとお話しして仲良くなりたかったなと思いますが、またご一緒できるよう、一つ一つを丁寧に積み重ねていけたら、と感じていました。


最後に「連続テレビ小説『ブギウギ』」ファン、また投票してくれた読者へメッセージをお願いいたします。

本当にありがとうございました。私が福来スズ子として頑張れたのは間違いなく、皆さまの支えがあってこそです。何かの形で恩返しできたら、と思っていますし、全てのさまざまな皆さまの声が励みでした。

ほんま、おおきに!
ブギウギ

ブギウギ

趣里主演で、激動の時代の渦中、ひたむきに歌に踊りに向き合い続けた歌手の波瀾万丈の物語を描く。ヒロイン・鈴子のモデルは、ブギの女王と呼ばれた戦後の大スター・笠置シヅ子。底抜けに明るいヒロインが、多くの困難を乗り越え、歌手の道を突き進み、人々に勇気と希望を与えていく。脚本は足立紳、櫻井剛が担当。

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