ザテレビジョンがおくるドラマアカデミー賞は、国内の地上波連続ドラマを読者、審査員、TV記者の投票によって部門別にNo.1を決定する特集です。

最優秀作品賞から、主演・助演男女優賞、ドラマソング賞までさまざまな観点からドラマを表彰します。

第95回ザテレビジョンドラマアカデミー賞主演女優賞 受賞インタビュー

撮影=カノウリョウマ

綾瀬はるか

西島さんとのアクションはある種イチャイチャしているんです

ラストに向けて、菜美と勇輝の2人がどういう関係になっていくのか、最後の一瞬までドキドキさせられました。今回の主演女優賞のお気持ちをお聞かせください。
ありがとうございます。3カ月前くらいから原案・脚本の金城一紀さんに直接アクションの稽古を受けて臨んだ作品だったので、普通のドラマ撮影より長く感じられました。日本テレビの“水曜10時”でアクションというのは挑戦だという雰囲気でしたし、そういう挑戦の作品がみなさんに評価していただけたのは、すごくうれしいです。
印象に残っているアクションシーンや、このアクションが好きだったというのはありますか?
基本、主婦たちの中での話だったので、最初は相手がものすごく強敵というわけではなかったんですね。なので、最後のほうで“やっと”強い相手が出てきてくれて(笑)。やっぱり、強い相手と戦った1対1のアクションは印象に残っていますね。相手の方もすごくアクションが上手な俳優さんでしたし。特にプロの殺し屋と部屋の中でガチンコで闘った8話のアクションが印象的でした。
動きで、ここ決まったな!っていうのはありますか?
あるんですよー。寝ていて、バン!と立つ“跳ね起き”って言うんですか。あれは、最初の稽古の1回目のときはなかなかできなくて、10回に1回ぐらいしかできなかったんですけど、だんだん3回に1回くらいできるようになっていて。それが8話では、一連のアクションの中に入っていたので、決まったときは、アクションチームで「おおっ!」とどよめきが起こりました。あのアクションシーンは結構思い出深いです。
夫役の西島秀俊さんとの共演はいかがでしたか? 大河ドラマ「八重の桜」ではきょうだい役でしたが、今回は夫婦役でした。
そうですね。以前共演の経験があるので、信頼関係もありますから、言いたいことも言えるし、話しやすいですし。いつもヘンなちょっかいを出し合いながら、楽しく撮影できました。
夫婦としてキュンとするようなシーンもある中で、終盤にはお互いの素姓がわかってしまって。最終回の“夫婦げんかアクション”が期待通りでした!という声はとても多かったです。
うれしいです! あのシーンは10話目で、その前の9話分、一緒にやってきた夫婦としての時間の積み重ねがあるので、お互いの距離の詰め合い方だったり、西島さんとしかできないアクションができたのかなって思います。西島さんとの距離感だから、あのアクションができたんだなと思いますね。
やはり他の方とのアクションシーンとは違いましたか?
はい、全然違いました。やっぱり夫婦なので。あのシーンは、金城さんは「ダンスみたいにやってほしい」とおっしゃっていたんですよ。「あれは実は愛情表現で、ある種イチャイチャしているアクションだ」と言われて。面白い発想だなと私は思ったんですけど。だから普通のアクションとはまったく別物でしたよね。お互いの感情ももちろん入っていますし、「これ、あなた受けられるわよね!」っていう信頼のもとでやっているアクションだったので、本当に特別なアクションでした。
その後、最大の戦いシーンがありました。10人ものすご腕の男達を相手にひとりで立ち向かう、あのロングのアクションはいかがでしたか?
ああ、でも、オンエアで見るとすごくあっと言う間だったんですけど、撮影していると、カメラアングルとか相手の方とのタイミングだったりとか、正しいちゃんとした形を決めるのに何回も撮りなおしたりしていました。終わった後は、本当に「うわーーー!」って感じでした。菜美のあの叫びは、私自身のリアルな叫びでもあったかなと思います。
戦いを終え、家に帰ってきたあとで、衝撃のラストシーンが待っていたわけですが。あのシーンは率直にどのような感想をお持ちになりましたか?
あそこは結構、賛否両論があったそうですが。私も、最初聞いたときは正直「え、そんな終わり方?」って思ったんです。でも、菜美っていうのは本当にすごく強い女性で、あの場面でもニヤッと笑って、やっぱり愛してる、みたいな。その発想が、なんかこの人、とても好きだなって思いました。普通じゃなくて、やっぱりカッコいいなって。最後、旦那さんから銃口を向けられるんですけど、やっとこの人が本気になってくれたってこと。それまでずっと、夜の営みがないとかなんとか1話から言っていたことが、ここにつながっていたんだ!と思って。この2人のやりとりが日本のドラマっぽくなくて、カッコいいですよね。
含みを持たせるラストだったので、もしかして続編もアリなのかなと?
どうでしょうかね。なんかニュースとか出ていますけど、何も決まってないと思います。
でも、また綾瀬さんのアクションが見たいです。クイクイッて手でしながら「おいでおいで」とかしてほしい(笑)。
フフフ、おいでおいで。そうですね。ありがとうございます!

取材・文/吉野千絵
奥様は、取り扱い注意

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ワケありな過去を持つセレブ主婦・伊佐山菜美(綾瀬はるか)が、同じ街で暮らす人々が抱えるトラブルを、体を張って解決する。原案・脚本を金城一紀が務め、笑いとアクションのあるエンタメドラマ。天涯孤独の菜美は、愛情も知らずに生きてきたが、結婚後に知り合った主婦や夫の存在によって優しさと温かさを知る。

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