「より僕が目立たない方向にいってしまう」
「ニャンちゅう!」という子どもの教育番組は、ディレクターさんと相談しながらお話の展開を考えて、脚本に落とし込んでいくということをしています。この番組は、たまたま依頼をいただいたのですが、世界観の範囲内ならわりと自由にアイデアを出せて、それをやらせていただけるので、すごく楽しいです。子どもって繊細だしハイセンスだなって僕は思っていて、こんなの子どもに伝わらないだろ……と思うようなものも意外と感じ取ってくれるんですよね。実はこっちが子どもたちのことをわかっていないだけ、みたいなことが多々あります。
「ニャンちゅう!」は、一緒に作っているスタッフさん方も、すごく柔軟な考えをお持ちで、子どもたちという視聴者のことをとても信じて番組を制作しているチームなんですよ。だから、夢がある仕事だなって。そして、人形の操演の方や声優さん方も実力者揃いなので、そういうところも含めて、この番組に関わらせていただいているのはとてもありがたいです。
すべての番組に共通して言えることなのですが、僕だけで作り上げているということは全くなくて、いろんなことを現場で相談させていただきながら、全力でいいものを作るためにアイデアを出しているという感じです。
――お笑い芸人と放送作家の兼業が難しいなと感じることや、逆に二足の草鞋だかこらその強みや、それぞれに活かせていることはありますか?
両方やってるからこそ、台本を書いた作家さんやディレクターさんの意図がある程度わかるのは、すごく大きなことだなと思います。作家さんやディレクターさんと打ち合わせするときに、番組の構想を想像はしやすいですね。それこそ先ほど話した、ここは別に僕が目立たなかったとて、現場にいる他の方にこういうことを言ってほしいという狙いがあるなとか。
難しいのは、逆にわかりすぎちゃうところじゃないですかね。より僕が目立たない方向にいっちゃうと言いますか。でも、元々出演者としての我みたいなものがないので、わかりすぎちゃってもいいんですけどね(笑)。
ラジオパーソナリティとして2つの番組と1つの特番を担当していますが、すべて構成作家兼パーソナリティを担当しています。僕は話術も人間的な魅力もないです。当たり前ですが伊集院さんにも爆笑問題さんにも絶対勝てませんし、レジェンドたちと戦える場所にはいません。ただ、好きな音楽やトイレの話なら熱を持って話ができるなと思っています。何しろ構成も自分で担当するので予算がかからない! これが一番のメリットかもしれませんね(笑)。
◆取材・文=戸塚安友奈
11月12日(木) 発売
本体価格980円、定価1,078円(税込み)
【公式サイト】
佐藤満春オフィシャルサイト
佐藤満春オフィシャルTwitter
佐藤満春オフィシャルブログ「水に流せない日常」