助演男優賞は香川照之 原作に不在の大和田が『半沢の世界に実在した証』【ドラマアカデミー賞】
2020年4月~9月放送のドラマを対象とした「第105回 ザテレビジョン ドラマアカデミー賞」で助演男優賞を獲得したのは、「半沢直樹」(TBS系)で大和田暁を演じた香川照之。前シリーズでは“ラスボス”としてドラマ史に残る“土下座シーン”を生み、今作でも半沢(堺雅人)との共闘や、圧巻のラストシーンなど大きな存在感を放った。視聴者からは「前回に増してパワーアップ」「最高の敵役」と評価された。そんな香川にインタビュー行い、受賞の感想や撮影の裏側を聞いた。
受賞は「半沢の世界にまさに実在したのだという証」
――ドラマアカデミー賞で、審査員・TV記者・読者からの高い支持により、最優秀助演男優賞に選出されました。受賞のお気持ちをお聞かせください。
半沢の続編の原作「ロスジェネの逆襲」、「銀翼のイカロス」には、私が演じた大和田は登場しておりません。その意味では、ドラマの中だけにおける架空の設定だった訳ですが、こうした賞をいただく光栄に浴したということは、半沢の世界にまさに実在したのだという証を得た気が致します。本当にありがたいことでございます。
――選考理由には、「敵なのか味方なのか。最後まで分からなくて、圧巻の演技だった」などの声が集まりました。香川さんの「お終いDEATH」「死んでもいやだね」などの演技が評判となりましたが、強いインパクトを残そうと心掛けていたのでしょうか?
福澤(克雄)監督は、常に「何だかんだ言っても半沢というドラマは、半沢と大和田のぶつかり合いで色濃く構成されているのだ。人はこの二人のつき合わせた顔同士が見たいのだ」とおっしゃっていました。
福澤監督も、この大和田という(原作に出てこない)人物こそが、自由に半沢を煽り、焚き付け、動かす人物にできることを知っていた。従って福澤監督も私自身もそうですが、印象的で、短的で、わかりやすい「決めコトバ」を大和田に宿そうとしていた。その意味では、劇薬のようなインパクトを我々は大和田に注入していました。