桐谷健太 映画「彼らが本気で編むときは、」で『また新しい道ができた感じ』
――最近は歌手としての活動も活発ですよね。
僕も観たことないですよ、自分があんなに歌ってるの(笑)。もともとCDを一枚出していたんです。その歌をCMプランナーの方が聴いててくれて、しかも僕が三線も弾けるっていうのをバラエティーで見て知っていた。それでauのCMの時に、浦ちゃんにぴったりだということで浜辺で歌うことになったんです。BEGINさん作曲のメロディーもめっちゃいいし、それが2週間ずつ変わりながらCMで流れるってだけでうれしくて。やったーぐらいの感じだったです。そしたらYouTubeの再生回数がすごいことになってるよ、みたいに言われて。そのうちFNS歌謡祭のお話をいただき、あのアーティストさんたちが目の前で見てるやつ?って、どんどん広がっていって。
――いつの間にかという感じですね。
でもその時、ある人に言われたのが、「おまえがやってきたことは変わってない」と。思い込めて歌うことも三線も前からやってたし、それに気づいてもらえたのはもうおまえの努力のたまものだよって言ってもらえ、その時にすごくうれしかったですね。だからこうなって当たり前やなんて全然思ってないです。実は最初にCD1枚目出した時は、「これで紅白歌合戦出るんや」って言うてたけど(笑)、まさか本当に出させてもらうとは思いませんでしたから。でも実感としては、外出た時に子どもたちが歌ってくれたり、おじいちゃんおばあちゃんが声かけてくれたりするのが、何万ダウンロードとかよりリアルな実感としてあるんですよね。なんか、みんなの歌になったんやな、みたいに思えて。いい経験できたし、すごく面白い年でしたね。
――これからもお芝居と歌を続けていきますか?
そうですね。最近は役者と歌手、選ぶとしたらどっちを取りますかってよく質問されるんですけど、それは朝と夜どっちが大事なのかと同じで、どっちもつながってるよと思うんです。子どものころから両方とも好きだったし、楽しくやっていけたらっていう感じですね。また巡り合わせがあれば歌いたいし、自分の中で言葉が浮かべば詞も書くでしょう。これからも、その時、その時の感覚を大切にしていきたいですね。
きりたに・けんた='80年2月4日生まれ、大阪府出身。O型。'16年にはドラマ「水族館ガール」(NHK総合ほか)や「カインとアベル」(フジ系)に出演したほか、映画「ターザン:REBORN」ではターザンの日本語吹き替えを務める。また、「NHK紅白歌合戦」に出場するなど、多方面で活躍
'17年2月25日(土)公開
脚本・監督/荻上直子 出演/生田斗真、桐谷健太、柿原りんか、ミムラほか
「かもめ食堂」('05年)の荻上直子監督の最新作。母親が家を出てしまい、小学生のトモ(柿原)は叔父のマキオ(桐谷)の家に住むことに。だが、マキオはトランスジェンダーの女性リンコ(生田)と同棲中。一緒に暮らし始めるうちに、トモは自分に愛情を注いでくれるリンコに、戸惑いながらも信頼を寄せていく。
【HP】http://kareamu.com/
取材・文=神武団四郎/スタイリスト=岡井雄介/ヘア&メーク=石崎達也