脚本家・根本ノンジ氏、上野樹里は「朝顔として脚本以上に朝顔らしい」ドラマ『監察医 朝顔』への思いを語る
――“月9”初の2クール放送ということについて感想をお聞かせください。
すごいですよね。なかなかないことですので、本当に。この作品に携われて光栄です。ただ2クールなんて今まで書いたことがないので苦労しています(笑)。でも、皆さんのおかげでなんとか半分は書き終わりました。
1クールだとどうしても駆け足で物語が進んでいってなかなか描ききれないことを、2クールだと時間をかけてゆっくり丁寧に描けるので、大変ですが、すごくいいなと思いました。
――脚本を書く際に意識していることはありますか?
誠実であろうと思って書いています。どんな仕事でも常に誠実に向き合っていますが、このドラマのテーマが「死」であることや、東日本大震災を扱っていることから、いつも以上に、誠実に向き合おうと思っています。やはり、今も東日本大震災で苦しんでいる方もいらっしゃいますので、より意識しています。
第1シーズンの時に取材に行かせていただいたんですが、今もまだ復興が進んでいない地域もありますし、丁寧に向き合って仕事をする事を心がけています。
――原作とドラマでは設定が異なっていますね。
それは金城綾香プロデューサーと話し合いながら決めました。原作は発売されてから時間がたっている漫画でしたので、それを現代に合わせていろいろと設定を変更させていただきました。後は、実際に映像化するに当たって細かく設定も調整させていただきました。
朝顔に関しては、原作は経験豊富な法医学者でしたが、成長していく過程を描きたかったので今の設定となりました。桑原についても、原作とはだいぶ異なりますが、朝顔のキャラクターに合わせて変化しました。
――「監察医 朝顔」にはさまざまなキャラクターが登場しますが、実際に映像化されたことで気付くことなどはありましたか?
気付きだらけです。ドラマは本だけで完成するものではないので、いつも映像化されてから、「あのシーンが、こんなすごい事になってる!」と思っています。第1シーズンの時からそう思っていましたね。
第1シーズンでいうと、朝顔が演説をするシーンがあるんですが、そこは台本を遥かに超越したものになっていると思います。でも、それは各シーンがそうなんですよ。台本はあくまで基本のベースで、現場の皆さんのお力でさらに良くしていただいている感じです。
演者、スタッフ、演出の皆さんが素晴らしいので、オンエアの時は一視聴者になって、いつも普通に感動してテレビを見ながら泣いてます。