映画「たぶん」吉田美月喜インタビュー「別れを経ても、ほんのちょっとでも前に進めたらいいな」
小説を音楽にするユニットYOASOBIの第4弾楽曲『たぶん』の原作小説が初の映画化。“別れ”をテーマに描かれた映画「たぶん」は、原案にはない2つの新たなストーリーが加わった。夏の大会が中止となってしまった高校生のサッカー部員とマネージャーの物語【川野と江口】に出演し、江口を演じた吉田美月喜に話を聞いた。
「きれいな夕陽がいい影響を与えてくれました」
――サッカー部マネージャーの江口役はオーディションで掴んだ役だと聞きました。
「主題歌『たぶん』は、たくさんの人から愛されている楽曲。今作はその原案の映像化。なので、原案や主題歌のもつ雰囲気をどう表現したらいいのかを一番に考えました。台本を読んだ時に、江口と自分はちょっと似てる部分があるなと思ったんです。私も素直に伝えられない性格なので、共感できました」
――確かに、セリフよりも表情で見せるシーンが多かったですね。
「今回、ビデオ通話をするシーンがあったのですが、私自身はあまり普段からビデオ通話はしないんです。なので、どこまで感情を出せば相手に伝わるのか、視線はどこが正解なんだろうって、表情のことを考えました。セリフが少なくて、さらに画面越しでのお芝居は難しかったです」
――川野と江口の関係性は、なんだか特別でしたよね。
「そうなんです。お互いが特別に思っていて、だから素直に伝えることができなくて。それって、もはや“好き”ですよね? 好きだからこそ、言えないことってあると思うんです。映画を見ていただくとわかるのですが、川野はそこを飛び越えてくるんですよね。あれはもう理想のシチュエーションです!」
――ラストの夕陽の海辺のふたりのシーン、すごく綺麗でした。
「景色にはすごく助けられました。夕陽を見ていたら、なんだか寂しくなったんです。綺麗な夕陽が、あのシーンの感情に良い影響を与えてくれました。撮影でもなんだか緊張感が漂っていたんです。それが、川野と江口のぎこちない感じにも繋がっていると思います」
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