渡辺謙、豊川悦司が見せる緊迫の逃走劇「謙さんの一挙手一投足をどうしても見てしまいました」<「逃亡者」インタビュー・前編>
――追う側の豊川さんは、渡辺さんの目にはどのように映っていましたか?
渡辺:共演するのは今回で3回目なのですが、共演しても同じ画面にいることはほとんど無かったんです。ですので、今回はがっつり演じましたと言いたいところなのですが、顔を合わせて芝居をするのは3回ぐらいしかなくて(笑)。今作での僕は大抵泥だらけか、血だらけになってこそこそと逃げ回っていますが、一方の豊川くんはスタイリッシュな衣装で銃を構えていて、いいところを全部持っていかれたなという感じです(笑)。
豊川:いやいや、そんなことはないと思いますけども(笑)。謙さんがおっしゃる通り、今回も一緒のフレームに映っていることはほぼないのですが、謙さんから学ぶことは多くて。同じシーンがある日は、謙さんの一挙手一投足をどうしても見てしまいました。台本の中のせりふを謙さんがどう言うのか、目の前のシーンに対して監督とどんな話をするのか。そういう姿を垣間見れるチャンスはなかなかないですから。何と言いますか、生きた教科書?
渡辺:絶滅危惧種みたいに言わないでくれ(笑)。
豊川:(笑)。すごく自分の実になった現場でした。