「NHKスぺシャル パンデミック 激動の世界」が伝える社会への視座<大越健介キャスターインタビュー>
新型コロナウイルスの感染爆発により、変革を迫られている日本、そして世界。NHKでは、8月以降、進行する危機と向き合いながら未来を展望するシリーズ「NHKスペシャル パンデミック 激動の世界」を放送している。12月6日(日)には第5回「コロナ禍 米中 新たな“冷戦”」、20日(日)に第6回「科学立国ニッポンの危機」を放送。コロナ禍が長期化する中で同シリーズを制作・放送する狙いと番組が目指すものについて、取材を担当する大越健介キャスター、三村忠史チーフプロデューサーに話を聞いた。
――「パンデミック 激動の世界」シリーズ放送の狙いについてお聞かせください。
三村忠史チーフプロデューサー:番組は、新型コロナウイルスの出現によってあらわになった国内・世界の課題をさまざまな角度から検証する大型シリーズです。夏から4回放送しています。
「NHKスペシャル」の大型企画は、1年ないし2年の準備期間を経て放送することがほとんどですが、このシリーズはまさに今ここにある危機を記録しながら過去を検証し、未来を俯瞰していくものになっています。目の前にあるものを記録してコンテンツに含んでいくスタイルも番組の特長としながら、今後回を重ねていきたいと思っております。
大越健介キャスター:新型コロナウイルスの感染拡大について番組化の話が出た春の終わりか夏の初め頃は、プロデューサーをはじめ、「アフター・パンデミック」というタイトルを考えていました。しかし現実は、その言葉とそぐわなくなってきました。
このパンデミックとは長く付き合わなくてはならない。向き合いながらしっかり検証することで、アフター・パンデミックの世界も見えてくるのではないかと考えています。感染拡大が社会に大きな影響を及ぼしていますが、光の当て方によって本当にいろんなものが見えてくるということを、日々の取材を通して実感しております。走りながらの取材ですが、現状に、かつ将来に向けてできるだけ多くのことを指し示す番組にしようと、日々奮闘しています。
この番組によって、必ずしも一つの答えが出るわけではないと思っていますが、視聴者のみなさんが未来に目を向け、たくさんのことを考えられる材料を含む番組を目指していきたいです。