――もし、自分が「おもいで写真」を撮るとしたら?
撮影中にいろいろ考えていました。私は出身が静岡県なんですけど、実家の周りは田んぼに囲まれていて、風が吹くと稲がサーッと揺れる光景が子どもの頃から大好き。私の「おもいで写真」は、一面が緑の田んぼをバックに撮りたいです。
――劇中では写真を撮るシーンがありましたけど、普段からカメラに触れる機会はありましたか?
旅行に行く時はもちろん、日常生活でもカメラを持ち歩いて撮りたいと思った時にシャッターを押しています。スマホの時もありますけど、フィルムカメラで撮ることが多いですね。
撮影現場で働いているスタッフさんの姿を見るのが好きなので、それを写真に収めたりして。今回の富山ロケでもたくさん撮りました。
――カメラの持ち方など、すごく様になっていましたね。
劇中で結子が持っていたカメラは、プロのカメラマンの方が使うもの。本格的なカメラを扱うのは初めてだったので構え方や立ち方などを1から勉強しました。
普段は撮りたいものを何気なく撮っていたんですけど、明るさを調整したり構図を考えたりしながら撮る方法もまた違った楽しさがあって面白かったです。
――富山ロケで印象に残っていることは?
東京とは違うちょっとゆっくりとした時間が流れているような感覚でした。かなりハードなスケジュールでしたけど、富山だったからこそ乗り切れたのかなと。劇中に少しだけ出てきた漁港でのシーンは、本当に仕入れの準備やセリが行われていた横で撮影したんです。
あの場所でしか撮れない富山の朝の空気感が詰まっているすてきなシーンになっていると思います。きれいな夕焼けも映っているので、ぜひ大きなスクリーンで見てほしいです。
――富山ならではの名物はいかがでしたか?
やっぱりお魚がおいしかったです! 撮影が早く終わった日に回転ずし屋さんに行ったんです。一つ一つのネタがどれも新鮮。地元の方たちの優しさにも癒やされました。
――好きなおすしのネタは?
普段はエビとホタテ。富山では名物の白エビをたくさん食べました。
――2021年の干支は「丑」ということで、最近思わず「ウッシッシ」と笑ってしまうぐらいうれしかったことは?
昨年から外出自粛もあって家で過ごすことが増えたので、この2年ぐらい買うかどうかを迷っていたプロジェクターを思い切って買ったんです。もう、ホントに家が映画館みたい。
最近のプロジェクターは性能が良くなっているので、家の白い壁でも鮮明に映るんです。
スクリーンを使わなくても十分きれい。映画を見ながら1人で「ウッシッシ」と喜んでいました(笑)。
――普段、どんな映画を見ているんですか?
ミステリーが好きなんですけど家にいるときはドラマや映画など、何でも見ています。「ラ・ラ・ランド」も大画面で見ることができて大満足です。
――では、最後にメッセージをお願いします!
見る方の年齢によっていろいろな捉え方ができる作品だと思います。自分だったらどんな場所で「おもいで写真」を撮りたいのか。
自分にとって大切なものや会いたい人のことを改めて考えるきっかけになればいいなと。誰かに会いに行くということが難しい今の時期だからこそ見ていただけたらうれしいです。
◆取材・文=月山武桜
◆スタイリスト:原未来/ヘアメーク:山下景子
1月29日(金)全国公開
監督:熊澤尚人
脚本:熊澤尚人、まなべゆきこ
原作:熊澤尚人「おもいで写眞」(幻冬舎文庫)
出演:深川麻衣、高良健吾、香里奈、井浦新、古谷一行、吉行和子
配給:イオンエンターテイメント
公式サイト:http://omoide-movie.com/