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宇宙の野口聡一氏「半年間は長いようであっという間だと実感」地上の受験生たちにエール

2021/01/28 21:53

「6 months mission challenge キャンペーン 野口宇宙飛行士リアルタイム交信イベント」が1月28日にオンライン上で開催された
「6 months mission challenge キャンペーン 野口宇宙飛行士リアルタイム交信イベント」が1月28日にオンライン上で開催された (C)JAXA/NASA

また、「宇宙での植物育成について」「初めてのEVA(船外活動)の感想は?」など専門的な質問も。

野口氏は「植物の育つスピードはちょうど実験中で、一晩を30秒に縮めてた映像をYouTubeにUPしたので見てみてください。びっくりするほど育っています」「昨日もアメリカ人2人が船外活動をやっていて、その手伝いをしました。僕が初めて船外活動をしたのもう15年くらい前になりますが、ハッチを開けた瞬間、何もない宇宙にぽっかりと浮かぶ神々しい輝きと生命力を覚えています」とコメント。

さらに「なぜ人間は宇宙に行くのかというトピックに対して、野口さんは以前、ただ単に遠くの星に行くというだけでなく、地上で抱えている問題のヒントがあるからだとおっしゃっていましたが、実際に行ってみていかがですか」という質問も。

野口氏は「とても哲学的な質問ですね。今、ここでは科学実験をやっていくことが仕事だけど、科学技術をどう使うかだけでなく、僕ら人間がこの環境下でどのように進化をしていくかというテーマも大変興味深く思っています。

宇宙的な視点、つまり違う観点から、地球の問題についてサジェスチョンができることは大事ですし、人類の認知的な成長にもつながると思う。僕はまだ宇宙人類としては赤ちゃん程度で、そこまで感覚は変わってないけど、皆さんが大人になる頃に僕の感覚をお伝えできればいいなと思います」と応えた。

最後に「いろんな質問をありがとうございます。他にもたくさんの方々から興味深い質問を頂き、あらためて考えるきっかけになりました。半年間の宇宙滞在は長いようで本当に短くて、この間にやるべきことをしっかり自覚してやっていかないとあっという間だろうなというのが今の実感です。

これは地球にいる皆さんも同じだと思います。受験勉強などで大変だと思うけど、1日1日をしっかりと過ごしてくれたら、みんなも高いところまでこられるんじゃないかと思います」とエールを送っていた。

今回が3回目の宇宙飛行となる野口宇宙飛行士は、11月16日の日本時間朝9時27分、米国フロリダ州にあるケネディ宇宙センターの39A射点より、ペースX社のクルードラゴン宇宙船(運用初号機)にて宇宙へ出発し、半年間のISS(国際宇宙ステーション)長期滞在クルーの任務に就いた。

微小重力環境等を利用した科学実験や将来の月探査につながる技術実証等のほか、「きぼう」日本実験棟を利用した立体臓器の創出のための培養技術の開発や、火災安全性向上に向けた固体材料の燃焼現象に関する実験等を実施。また、日本人最多の4回の船外ミッションにも挑む。


◆取材・文=坂戸希和美
(C)JAXA/NASA

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

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