6話以降「元春がかっこよく見えてしまうことも」
――撮影を進められて、特に印象的だったシーンはありますか?
狩野:5話(2月4日放送)で元春がすごく後悔して「元に戻してくれ」と懇願するのですが、大倉さんのすばらしい“泣き”の演技が印象的でした。あと、5話以降、奈落の底に落ちていく(元春の)演技がたまらなくうまいと思います。
貸川:狩野さんと私の“大倉さんが後悔する顔が見たい”という欲求に、純粋に答えてくれている感じです(笑)。
狩野:不幸っぷりを表現するのが素晴らしかったです(笑)。一方で広瀬さんは、元春を好きになっていく過程をみずみずしく繊細にやってくれています。6話(2月11日放送)のコンビニでの(澪の)表情が大好きで、ズキュンとします。
貸川:あれはやられちゃいますよね。6話の二人がとってもいいんです。元春は5話で後悔して、でも戻れなくて。過去を見るのではなく今の妻との生活をちゃんとやっていこうと思って、モードが変わるんですよね。澪への気持ちを閉じた上で向き合おうとしていくのですが、心に秘めた思いみたいなものが漏れ出てしまう、けど抑えている…。私は6話以降の元春がかっこよく見えてしまうことがありました。散々クズだと視聴者の方からは言われていますけど(笑)。やっぱりそこが、大倉さんの面目躍如な感じだなと思っています。
――では、ストーリーの展開としての見どころはどこになりますか?
貸川:5話までは元春が過去を振り返って、「あれがだめだった」「戻りたい」となるのですが、6話ではそれができないと分かります。元春は「選んだ人生をちゃんと生きなきゃ」と今の結婚生活に向き合っていくので、それが夫としてどんな向き合い方になるのか注目してください。それがすぐにうまくいくかというと、いろいろあって…。一方で、澪の元春への気持ちは上がっていって、恋愛の部分も盛り上がっていきます。
あと、5話までは澪の姿を見て元春が後悔するという振り返りが多かったのですが、6話以降はいろいろな事件が起きて、それに翻弄(ほんろう)されていくということもあったりするので、今までとはまた違う展開になっていくのを楽しみにしてもらえればと思います。
狩野:相変わらず元春はダメで(笑)、6話から“今”を見ようとするのですが、個人的にはどうにもならないことが起きていくなという気がします。分かりやすく言うと罰を受ける。その果てに一体何が待っているのかということだと思います。人生のあやとか妙をすごく感じる展開になっています。