“ネクストBTS”候補の本命! 韓国の大型新人ボーイズグループ・TREASUREに迫る
YGエンタ初の“K-POPらしい”ダンスボーカルグループ
YGエンタのボーイズグループといえば、BIGBANG、WINNER、iKONなどヒップホップを基調とし、セルフプロデュースで自分たちのカラーを自由なパフォーマンスで表現する、アイドルというよりアーティスト寄りのグループが多かった。TREASUREのラッパー陣もラップ詞を自作しているし、アサヒのように楽曲制作をするメンバーがいるところはYGらしいといえるが、彼らが先輩たちと決定的に違うところは、12人という大人数を生かしたフォーメーションダンスを重視したアイドルらしいパフォーマンスをメインとしている点だ。
これまで完全に「実力重視」を掲げてきたYGエンタが、「YG宝石箱」の選考基準に「実力」「ビジュアル」「外的魅力」を掲げた変化は大きい。いわゆるダンスボーカルグループというK-POPらしいグループを手掛けるのは、YGエンタにとっても初の試みでもある。
2020年8月7日に1stシングル「THE FIRST STEP : CHAPTER ONE」でデビューを飾ると同時に、早くも日本オフィシャルサイトがオープン。デビュー曲「BOY」は世界19カ国のiTunesチャートで1位を獲得し、世界の関心の高さを見せつけた。
9月18日には2ndシングル「THE FIRST STEP:CHAPTER TWO」、11月6日には3rdシングル「THE FIRST STEP:CHAPTER THREE」、そして1月11日には初のフルアルバム『THE FIRST STEP : TREASURE EFFECT』と怒涛のリリースを続け、この「THE FIRST STEP」シリーズは累計で100万枚以上を販売。これはBLACKPINKのデビュー時をしのぐYGエンタ新人歴代1位のペースだという。
2020年末には「2020 Asia Artist Awards」「2020 Mnet Asian Music Awards」「第35回ゴールデンディスクアワード」など多数の授賞式で新人賞を獲得。新人として、頭一つ抜けた人気を固めている。
YGエンタ初のアイドルらしいアイドル。彼らの魅力は、キレのあるフォーメーションを用いたパフォーマンスだけではない。K-POPアーティストの人気の要因に、オンとオフのギャップが挙げられるが、彼らの素の姿は公式YouTubeチャンネルで配信されている「TREASURE MAP」というリアルバラエティーで見ることができる。
宿舎での日常からバンジージャンプまで、彼らの仲良く楽しい日常が惜しみなく公開されているが、これがとにかくやかましい(笑)。その人間的な魅力に触れるにはうってつけのコンテンツになっている。
「YG宝石箱」もそうだが、YGエンタの公式チャンネルは、英語、日本語の字幕が表示できるようになっている。クローズドな場ではなく、YouTubeというオープンな場で、リアルタイムで全世界のファンが情報をキャッチできるようにしているのもTREASUREの世界人気につながっている。
また、TREASUREはSNSにも強いアーティストといえる。Twitter社が発表した2020年のK-POP関連資料によると「ライジングK-POPアーティスト(TOP 10 fastest-rising K-pop artists in the world)」部門で1位、「世界で最も愛されたK-POPアーティスト(TOP 10 most mentioned K-pop artists in the world)」でも6位という、新人グループ最高位を獲得している。
そして、そんな世界の関心を集めるTREASUREが、いよいよ3月31日(水)にアルバム『THE FIRST STEP : TREASURE EFFECT』で日本デビュー! 韓国で1月にリリースしたアルバム12曲を全て日本語バージョンで収録。そこに日本の大人気アニメ「ブラッククローバー」(毎週火曜夜6:25-6:55、テレビ東京系)のエンディングテーマ「BEAUTIFUL」(日本語曲)を加えた全13曲入りとなっている。日本人メンバー4人という強みを生かして、彼らがこれから日本でどのような展開を行っていくかが楽しみだ。
文=坂本ゆかり