アニメーション映画監督の細田守が、最新作「竜とそばかすの姫」のストーリー、最新ビジュアル、特報映像を解禁した。
スタジオ地図創立10周年の今作の主人公は、過疎化が進む高知の田舎町で、父と暮らす17歳の女子高生のすずで、幼い頃に母を事故で亡くし、心に大きな傷を抱えていた。ある日、“もうひとつの現実”と呼ばれる超巨大インターネット空間の仮想世界<U>と出会い、“ベル”というアバターで参加することになった。心に秘めてきた歌を歌うことによって、あっという間に世界に注目される存在になっていくベル(すず)の前に、<U>の世界で恐れられている竜の姿をした謎の存在が現れて、というストーリーだ。これまで細田監督が、約10年に一度、描いてきたインターネットの世界を舞台に、10代の女子高生を主人公に迎え、世界の片隅で自分を失ってしまった少女が開く新しい扉、未知との遭遇、そして成長していく姿を、細田監督ならではのリアル×ファンタジーを通じ、描き出していく。まさに“細田守集大成”ともいえる、ダイナミックな一大エンターテインメント作品がこの夏、公開される。
今回、解禁された30秒の特報映像では、[高知の現実世界×インターネット空間の仮想世界<U>]のカットが、多数、公開されている。すずが住む高知の自然豊かな美しい夏の風景と、<U>を浮遊するたくさんのアバターの姿や、すずのアバターである“ベル”の姿、そして謎の存在“竜”の表情、さらに、これまでの細田作品のモチーフのひとつのクジラの尾ひれも登場し、現実×インターネット空間という対照的な世界がゆう合していく映像が映し出されている。
「あなたは、誰?」「お前は、誰だ?」それぞれの問いかけの答えとは何か、すずと竜が出逢った先に待っている物語とは、圧倒的な速度であらゆるものが変化し続ける時代、それでもずっと変わることのない大切なものとはの答えに、スタジオ地図と細田監督がたどり着く。
細田守監督コメント
この「竜とそばかすの姫」は、“ずっと創りたいと思っていた映画”です。アニメーション映画監督になる前から、自分もいつかこういう映画が作られたらいいなと思っていたものであり、今までさまざまな作品を創ってきたからこそ、やっと、今回、実現できるようになりました。恋愛やアクション、サスペンスの要素もありつつ、一方で、生と死という本質的な大きなテーマもあり、エンタメ要素の高い映画になっていると思います。
僕は、若い人がおもしろく楽しく世界を変革していくのではないかと、インターネット世界を題材にした映画を、今までにも創ってきました。インターネットは、誹謗中傷やフェイクニュースなど、ネガティブな側面も多いですが、人間の可能性を広げるとても良い道具だと思っています。インターネットそのものが変わってきている今、肯定的な未来に通じるような映画ができないかと考えていました。去年来、普及するのにまだまだ時間がかかると思っていたインターネットを通じた仕事や生活が、常識とともに大きく変化し、未来に10年くらい、ぐっと近づいた気がしています。今までの常識にとらわれず、どんどん変化している時代のなかで、変化していく世界についての映画を創るということに、どこか必然性を感じています。
その一方で、最終的に大事にしないといけないものは、変わらないのではないかとも思っています。私たちが、代々、受け継いできたものは、世の中が変化し、ツールや常識が変化しても、受け継がれていくもの。それがよりはっきり見えてきているのが、今の時代なのかなとも思っています。
圧倒的な速度で変わっていく世界と、自分たちにとって本当に大切な変わらないもの、それを今作で楽しんでいただければと思います。
監督・脚本・原作:細田守
企画・制作:スタジオ地図
(C)2021 スタジオ地図
公式ホームページ:ryu-to-sobakasu-no-hime.jp