秋山黄色、アルバム『FIZZY POP SYNDROME』リリース！「部屋はめちゃくちゃ散らかってるんですけど(笑)、曲は死ぬほどＡ型なんです」
苦しみながらもギリギリのところで理性を保っている人の言葉がやっぱり好きなんです
「俺はゴミじゃない」という前向きなメッセージを宿した曲として、今作に入れた理由とは？
「地元の後輩が増えてきて、好きなアニメのタイアップとかが決まると連絡くれたりするんです。音楽始めましたって子もそこそこいて。そういう後輩をできるだけ応援してあげたいから、道が続く形で活動したいなって思って。でも、『甘く考えんなよ』っていうのは俺から言ってあげたいんですよ。それって、結局『助けてあげたい』という気持ちでもあって。
今回のアルバムにはそういう曲も多くあるから、この曲を入れたんです。あと歌詞の最後にも書いてますけど、応援してくれてる人って信じられないくらいいて。でも、声になって届けられるのって批判が多いんですね。僕の好きな人が言ってたんですけど、YouTubeの動画である程度再生回数があれば、低評価がない動画なんてないじゃないですか。高評価が付くより、低評価が付いた方が精神的に来るし。ただ、もし高評価が20万あって低評価が１万だとしたら、その１万人を無視すれば20万人分の幸せを感じられるっていう(笑)。母数は違えど同じようなことって日常生活にもあって。そういうものの見方をしてほしいなっていう気持ちがあるんです」
ここ数年、世界的にもロックはヒップホップにおされて勢いがないが、『FIZZY POP SYNDROME』は全編バンド編成によって作られたロックアルバムだ。
『ヒップホップが流行ってる』って、割と良い言い方だと思うんですけど、悪く言うと『バンドが見下されてる』っていう感じがしてるんです。でも自分はロックアルバムを作る意識はなくて。自分が得意なギターを使ってるし、ロックな曲もあるかなっていうぐらいで。そういう市場の状況の中、何でこういうアルバムを作るかっていうと、俺の中で流行ってるからなんですよね。『曲を書く』って言いますけど、俺にとってギターやベースは思ったものを一番書きやすいペンみたいなもの。俺めちゃめちゃ飽き性なんですけど、まだまだギターやベースが好きだから、それを弾いちゃうっていう」
秋山黄色のバンドサウンドは、アニソンやボカロを通過した新世代のポップ感を宿したロックになっている。
「変なリフとか変な構成もよくやるんですけど、自分の中では１つ１つ理屈があって、石の上に石を重ねていくみたいなバランスでやってるんです。そこが少しでもずれると蕁麻疹が出そうなぐらい嫌で。自分の中の黄金比みたいなものがあるんですね。そういう整えたい欲求って、アニソンとかに影響されているのかなって思います。
俺部屋はめちゃくちゃ散らかってるんですけど(笑)、曲は死ぬほどＡ型なんです。あるべき場所に音を置いていってるだけというか。あと、俺すごく普通の人なので笑)、正気の人が作ってるっていうのを伝えたいというのもあって。どこか地球のルールっておかしいと思うことがあるから、それを知れば知るほど頭おかしくなるというか。それに耐えて正気を保っている人の方が、耐えられなくなっちゃう人より絶対すごいと思うんです。
そうやって苦しみながらもギリギリのところで理性を保っている人の言葉がやっぱり好きなんですよね。
一線を超えている人の表現って、時間をかければできるかもしれないという冷めた気持ちがあって。俺の『ポップに整えたい』という気持ちはそういうところからもきてるんです。
音楽なので、聴いて楽しむものにそこまで画鋲とか入れる必要はないと思うんです」
取材・文＝小松香里
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
収録曲●LIE on／サーチライト／月と太陽だけ／アイデンティティ／Bottoms call／夢の轍／宮の橋アンダーセッション／ゴミステーションブルース／ホットバニラ・ホットケーキ／PAINKILLER
あきやま・きいろ＝1996年3月11日生まれ、栃木県出身。
作詞、作曲からジャケットアートワークまでを手掛ける。
2020年3月にメジャーデビュー。アニメ「約束のネバーランド」Season2オープニングテーマ「アイデンティティ」が発売中。現在、6/4(金)まで続くツアー「一鬼一遊 TOUR Lv.2」を開催中
公式HP
https://www.akiyamakiro.com/
