<人生の楽園>軽い気持ちで始めた家庭菜園をきっかけに、退職後に農業を始めた元エンジニアに密着
3月27日(土)放送の「人生の楽園」(毎週土曜夜6:00-6:30、テレビ朝日系)は、エンジニアとしての経験を生かし、農具と肥料を改良し野菜を育てる65歳の八木澤勝一さんと、それを支える56歳の妻・善子さんが主人公。独自の農法で野菜作りを行う勝一さんと善子さんの日常と、そんな二人を温かく見守る地域に暮らす人々との交流を紹介する。
舞台は埼玉・川越市
福島県出身の勝一さんは工業高等専門学校で電気工学を学び、埼玉県にあるオートバイメーカーの研究開発エンジニアとして働いた。そして33歳のときに善子さんと職場結婚し、3人の子どもが生まれた。
勝一さんに転機が訪れたのは、住んでいた団地の理事に選出された58歳のとき。理事仲間から家庭菜園を勧められて軽い気持ちで畑を耕すと、くわが扱いにくいと感じたことでエンジニア魂に火が付いた。
以来、勝一さんは休日を利用して使い勝手の悪いくわの改良を重ね、次第に農業にも興味を持つようになった。
そうして、62歳で会社を退職すると、農業大学校で1年間有機農業を学び、2019年に畑を借りて独自の農法で野菜を育て始めた。
現在、勝一さんが借りている畑は約1200坪。鶏ふんや米ぬか、もみ殻薫炭、おからなどを混ぜて発酵熟成させた自作のぼかし肥料を使い、大根や白菜、ネギ、里芋などを育てている。
そして、エンジニア時代の後輩たちに手伝ってもらい無人販売所を設置し、近隣の住民に安く野菜を販売。勝一さんの野菜は味が濃くておいしいと評判だ。
さらに勝一さんはくわの改良も続けている。独自のアイデアを入れて福島県のかじ職人に特注したくわは、軽くて柄から外れにくい。勝一さんが重視するのは技術の“再現性”。再現できなければ技術とは呼べないと語る。
また、勝一さんは農業大学校で知り合った仲間との交流も続け、情報交換をしながら独自の農法も広めている。
そんな勝一さんを支えるのが妻の善子さん。団地の5階に暮らす勝一さんは、階段の上り下りがつらいからと同じ団地の2階へ移った善子さんの部屋を毎晩訪ね、勝一さんの野菜を使って善子さんが調理した夕食を共にする。