「殴られて、受けて立とうの精神」で生きたい
30代になると精力的に舞台に立つようになった。実は舞台にはある“トラウマ”があった。主演を務めた際、6割しかチケットが売れなかったのだ。知人や関係者にお願いしても8割しか埋まらなくて悔しかった。そんな挫折をバネに取り組んだ結果、宮沢りえをして「男前女優ナンバー5に入る」(「ヨルタモリ」2015年8月9日)と絶賛される女優になったのだ。
プライベートでは、2007年、小池の猛アプローチの末、「顔がタイプ」というプロレスラーで格闘家の坂田亘と結婚。彼から受け継いだ「殴られて、受けて立とうの精神」で生きたいという(「トーキグフルーツ」=前出)。生活をしていれば様々なアクシデントに遭遇する。結婚生活もそうだろう。
「女優はアクシデントが全部役に立つ仕事」演じる糧に
だが、女優はアクシデントが全て役に立つ仕事だと小池は言う。嫌なことも。苦しいことも、全部演じる糧になる。一方で、「タフになるってことは、傷つく心に鈍感にはなっていく」(「あさイチ」2015年3月6日)とも言う。「麻痺しないようには気をつけないとなって思う」「頑丈になりすぎて気づいたら刺のある言い方を周りの方にしてたり」(同)と。それを知っている小池はやはり「強い」女優だ。
文=てれびのスキマ
1978年生まれ。テレビっ子。ライター。雑誌やWEBでテレビに関する連載多数。著書に「1989年のテレビっ子」、「タモリ学」など。近著に「全部やれ。日本テレビえげつない勝ち方」
※『月刊ザテレビジョン』2021年2月号