「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」の古代進役、「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの空条承太郎役、「おそ松さん」の松野十四松役など声優として、さらに2007年からはアーティストとしても活躍している小野大輔。そんな彼が約2年半ぶりのライブ「ONO DAISUKE LIVE 2021: A SPACE ODYSSEY」を3月27日(土)、28日(日)に東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ・メインアリーナで開催。初日の模様はMUSIC ON! TV(エムオン!)で生中継される。今回は小野にインタビューを行い、ライブに懸ける思いなどを聞いた。
――約2年半ぶりとなるワンマンライブのコンセプトについてお聞かせください。
「昨年リリースしたアルバム『STARGAZER』は宇宙を題材にしていて、そのスタートになったのが『ドラマティック』という楽曲でした。同じく昨年公開された『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』の主題歌にもなっているんですが、その楽曲は僕が今までやってきた音楽の集大成であり、その先の未来につながっていくような楽曲でした。ウルトラマンタイガの劇場版もこのご時世の中、春から夏に公開延期になったりしました。でも、そんな状況下でもエンターテインメントが持っているパワーを改めて実感したのが、2020年の出来事でした。2020年はいろんなことを模索しながら、エンターテインメントの在り方をみんなが追い求めた年だったと思います」
「その年にリリースしたアルバム『STARGAZER』を基にして、『宇宙』を表現しようということで今回のライブを立ち上げました。星座を見る時も、宇宙飛行士に憧れ、ロケットでいつか宇宙に飛び立ってみたいと思う時、ただただ空を見上げて未来のことを考えたりする時、みんな上を見上げると思うんですよね。それがすごく前向きな、ポジティブなメッセージにつながっていくんじゃないかなと思いました。なので今回のライブも開催することによって、エンターテインメントを届けることによって、受け取った皆さんが上を向いて、これからの明日を、未来を明るく生きていけるような、そんなライブにしたいと思っています」
――小野さんにとっての「宇宙」はどんな思いをはせる場所ですか?
「一言で言うと『ロマン』です。もう想像の余地しかない、という場所ですよね。いろんなことが宇宙で起きていいて、その構造なども段々ひもとかれてきていますけど、まだまだ未知の空間じゃないですか。だからこそみんな憧れるし、挑戦したくなる。『知りたい』という思いであったり、『行きたい』という好奇心であったりが満ちあふれている場所のような気がします。宇宙に向けてロケットで飛び立つって、ひたすらポジティブで勢いがすごくあるじゃないですか。そこが今、みんなに届けたい音楽とリンクしているのかなと思います。未来は分からないけれど、それでも前に進むしかないから、『じゃあ、ひたすらポジティブに行こうぜ!』という感じ。こういう思いも言葉にすると稚拙になってしまうんですけど、音楽に乗せたら届くような気がしています。今、そういう歌を歌えるということは、すごくありがたいですね」
――今回のライブの見どころをお聞かせください。
「新たなバンドマスターに、渡辺拓也さんを迎えることになりました。僕の音楽活動を最初の頃から10年以上、ずっと支えてくださった方で、ファンの方にとっても小野大輔のアーティスト活動といえば渡辺拓也だと思うんですよね。でも、実は一緒にライブをやったのは十数年前の一度きりなんじゃないかな。制作ではずっと一緒に音楽を作っているんですけど、ライブでご一緒することが実はなかったんです。今は『拓ちゃん』と呼んでいます(笑)。これまでのライブもすごく良かったんですけど、またここに来て既存の曲も新しい顔を見せ始めているという意味では、新しい小野大輔のバンドであり、新しい小野大輔の音色を皆さんにお届けできると思います。ダンスパフォーマンスもしっかりあり、今はリハーサルが大変ですが、汗をかいた分いいものが出来上がると思います」
――最後に、今回のライブを楽しみにされているファンの方たちへメッセージをお願いします。
「『A SPACE ODYSSEY』というタイトル通り、本当に壮大な宇宙の旅に出る、そんなスケールの大きいライブになっています。このご時世だからこそ、いろんな思いが募って、その思いが歌になり、未来へ進むような、ひたすらに前向きなメッセージを届けられるようなライブが開催できることになりました。会場にいらっしゃる方には直接お届けしたいですし、生中継でお家でもご覧になっていただけるということで、ご覧になった方に希望の宇宙を見せられるような、上を向けるような、そんなライブを届けたいと思います。僕と一緒に宇宙の旅に出かけましょう!」
文=中村実香 撮影=中川容邦