庵野秀明監督による『シン・仮面ライダー』2023年公開決定! 生誕50周年に、当時視聴者だった制作陣「受けた恩を返していく」
庵野監督の「シン・仮面ライダー」は全世界同時公開
次に、この会見で初めて明かされた「シン・仮面ライダー」について、白倉氏が「1971年、ちょうど50年前に制作された『仮面ライダー』を基に、脚本・監督に庵野さんを迎えて『シン・仮面ライダー』を製作させていただきます」と発表。「今日、このタイミングで発表できてうれしく思います。今回のイメージ画を描いたのはアニメーターの前田真宏さん。撮影自体はこれからですが、どのような作品になるのか、好奇心のエンジンがブルンブルンです」と語り、独特の表現に会場が和むと「失笑やめてください」とツッコミを入れながら説明を進めた。
実は6年前の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」を機に、東映の紀伊宗之プロデューサーが庵野監督と密な関係を築くにいたり、監督から「こういうものはどうか」と企画メモをもらったことが企画の端緒になったそう。「できればアニバーサリーイヤーの今年に公開したかったのですが、コロナ禍での影響の玉突き現象で2023年になりました。逆に、準備ばっちり余裕を持って臨めると思います」と前向き。さらに「日本では珍しいですが、全世界同時公開を目指して進めています」と加えた。
記者から「『シン・仮面ライダー』は、ベースとなる『仮面ライダー』と同じく“対ショッカー”という解釈でいいのか」と尋ねられると、「難しいこと聞くね!」と破顔しつつ、「そのとおり、1号、2号の物語がベースではありますが、果たしてそういう名前のものなのかというのも含めて、現状はシークレットです」と回答。重ねて「石ノ森プロが寄せたイラストに、蜘蛛男と蝙蝠男が描かれていましたが、彼らは登場するのか」と問われると「仮面ライダーといえばこの怪人というメンツなので、個人的には登場してくれたらテンション上がりますが、それを決めるのは庵野監督です(笑)」と煙に巻いていた。
白倉氏は庵野監督の5歳下。「若い頃からずっと庵野監督の活躍を追ってきて、背中が見えないくらいすごいクリエイターでした。その方が昔から『仮面ライダー』というものに対してものすごく愛情と愛着を持っていてくださることがうれしいです。でも彼は“仮面ライダーの人”ではないし、ただの“仮面ライダーを好きな人”でもない、世界的なクリエイター。そんな方とあらためてこのシリーズを結び付けられるのは、僥倖(ぎょうこう)だと思っています」とコメント。「僕も、ここのいる2人もそうですが、それもこれも監督が50年前の今日、初回放送を見たからですよね。必ずや愛に満ちた、ご覧になってない方でも楽しめるものになると信じています」と語った。
「仮面ライダーは『悪から派生した正義』」
仮面ライダーの魅力について三氏は「仮面ライダーは『悪から派生した正義』と東映の辞書に描いてあります。同根、親殺しという深いテーマ性が魅力なのでは」(塚田氏)、「僕も第1話の蜘蛛男を、リアルに観ていました。他の作品とは違い、眠れないくらい怖かったです。他とは違う“陰”の魅力を持った作品としてずっと観てきましたし、会社に入った年にちょうどBLACKが始まったので運命を感じています」(吉村氏)、「僕も50年前の第1話をテレビにかじりついて見た世代なんですが、冒頭のメモリアル映像にあったとおり、2号ライダーの変身ポーズあたりから“陽”になりブレイクした、陰と陽がないまぜになった作品でもあります。だから大人向けの深さもありつつ、子供も楽しめる。つまり全人類が楽しめる、エンタメとドラマを楽しめるものすごい器だと思います」(白倉氏)とコメント。
最後に白倉氏は「こうして50周年を迎え、あらためて先人の偉大さを感じています。50周年のここが頂点ではなく今後も大きく羽ばたいていくためには、第1話を見て衝撃を受け、その恩恵を受けて育ってきた我々が返していく番かなと。次のバトンをどう渡すのかも含めた3作にしていきたいです」と締めくくった。
アニメ「風都探偵」は2022年夏配信予定、「仮面ライダーBLACK SUN」は2022年春スタート予定、「シン・仮面ライダー」は2023年3月公開予定。
映画公式サイト:https://shin-kamen-rider.jp
映画公式ツイッター:https://twitter.com/Shin_KR
■「仮面ライダー」公式サイト
https://www.kamen-rider-official.com/
■「風都探偵」
https://www.kamen-rider-official.com/kr50th/fuuto
■「仮面ライダーBLACK SUN」
https://www.kamen-rider-official.com/kr50th/blacksun