「テレビの可能性はまだまだある」放送作家・山名宏和氏インタビュー
テレビ界に多大な功績を残したトップクリエーターたちが独自のテレビ論を披露する、週刊ザテレビジョン創刊35周年記念インタビュー連載「テレビの開拓者たち」の第4回に、「この差って何ですか?」(TBS系)などで知られる放送作家の山名宏和氏が登場。
90年代半ば、先輩作家の紹介で「ダウンタウンDX」(日本テレビ系)に参加したのを機に、キャリアの幅が広がったという山名氏。今やお笑い系にとどまらず、医学、経済、音楽など、さまざまな分野の番組を多数手掛ける人気放送作家だ。
「いろんなジャンルをやっているのは、断らなかったからこうなった、という結果です。悪い言い方をすると、節操がない(笑)。僕には『テレビが大好きでこの仕事を始めたわけではない』というある種の負い目があって、何とか自分の立ち位置をつくらなきゃと必死でしたし。もともと勉強して何とか追い付くタイプなので、新しいジャンルを手掛けることになったら、勉強して吸収していく。それが結果的にうまく回っているんだと思います」
「最終的にはテレビの世界の水が自分に合っていたのかもしれない」という彼だが、現在のテレビを取り巻く状況については、どのように感じているのだろうか。
「『今のテレビは制約が多くなって窮屈になった』なんて言われがちですけど、その分、新しくできた手法もあるし、今だからできる作り方もある。その意味では、今も昔もプラスマイナスあるのかなと思います。それこそ、ドローンで撮ったすごい映像なんて10年前はあり得なかったじゃないですか。確かに昔から比べたら窮屈なところもあるかもしれないけど、別の部分は広がっている。窮屈だと嘆いている人は、その広がりに目を向けられていないのかな、と。テレビを取り巻く状況って1年も経てば様変わりしてしまう。作り手にとっても、時代にどう対応していくかが一番大切なんじゃないでしょうか。可能性はまだまだあると思いますよ」
WEBサイト「ザテレビジョン」では、山名氏のほか、「テレビの開拓者たち」に登場したクリエーターたちの完全版ロングインタビューを近日公開予定。乞うご期待!