石ノ森章太郎への思いも原動力!? 東映プロデューサー・白倉伸一郎インタビュー
テレビ界に多大な功績を残したトップクリエーターたちが独自のテレビ論を披露する、週刊ザテレビジョン創刊35周年記念インタビュー連載「テレビの開拓者たち」の第6回に、「仮面ライダー」や「スーパー戦隊」などの特撮ヒーロードラマシリーズを多数手がける東映のプロデューサー・白倉伸一郎氏が登場。
白倉氏が思い出の一本としてまず挙げたのは「真・仮面ライダー 序章」('92年東映ビデオ)。東映に入社してから最初に携わった作品だそうだ。
「先輩のプロデューサーに連れられて原作者の石ノ森章太郎先生にごあいさつに伺ったとき、その場で企画書にダメ出ししちゃったんです。仮面ライダーの生みの親に向かって『そもそも仮面ライダーとは…』って、初対面の若造が(笑)。でも先生は、若い世代の意見も聞いておこうと思われたのか、『君の思うようにやりなさい』とおっしゃってくださった。ところが、出来上がった作品は自分の中では悔いが残るものになってしまって…。理屈で作品は作れないんだということを痛感しましたね。そんな恥ずかしい経験があるので、今でも仮面ライダーを作るときはおろそかにできない。真剣にやらないと石ノ森先生に申し訳が立たない、という意識は常にあります」
現在はウェブ配信作品「仮面ライダーアマゾンズ」(Amazonプライム・ビデオ)のシーズン2を制作中。この「仮面ライダー」シリーズも、また「スーパー戦隊」シリーズも、いずれも40年以上の歴史を持つ長寿作品だが、「先達が築いてきたものを継承しつつ、“新商品”を開発するのも僕らの大切な義務」と白倉氏は言う。
「せっかくヒーロー番組を作れる環境にいるんだから、それを十二分に生かさないと。ライダーでも戦隊でもない、新たなヒーロー作品を生み出したいという思いは常にあるし、近い将来、ぜひ実現させたいですね」
WEBサイト「ザテレビジョン」では、白倉氏のほか、「テレビの開拓者たち」に登場したクリエーターたちの完全版ロングインタビューを近日公開予定。乞うご期待!