ALTERNATIVE ACADEMY ceroが2年越しで圧巻のライブ!
DJブースにはLicaxxxが登場。DJを軸に、ビートメーカー、エディター、ライター、ラジオパーソナリティーなど、音楽にまつわる活動を行う新世代のマルチアーティストである彼女。深夜2時を回る時間帯に、可愛らしい見た目とは裏腹の、クールながらもアグレッシブなビートで攻め立てる。
先ほどまでのロックイベントらしい雰囲気から一転、アタックの強いバスドラムのビートが腹に来るゴリゴリのクラブサウンドを展開。ここぞとばかりに、踊り足りない観客たちをアゲていく。
シンプルなビートを基調としながらも、軽いフック一発で見事に観客を沸かせてみせるなど、ハウス的なサウンドと共にさすがのパフォーマンスを展開。セットの後半では歌モノのトラックも挟みながら、一貫してリフを積み重ねながら丁寧に卓を操作していく。
バンドが前後にラインナップされるなど、決してホームとは言えない環境の中、フロアをしっかり沸かせていった彼女。ラストはファンキーなサウンドで大いにフロアを温めた。
深夜3時にさしかかったところで、ライブアクトとしては最後となるWONKが登場。自らを“エクスペリメンタルソウルバンド”と評する彼らは、卓越したライブパフォーマンスで各種メディアでも話題となっている。
「What's up?Everybody!」というKento NAGATSUKA(Vo.)の言葉と共にスタートしたライブは、キーボード、サポートメンバーのサックス、ベース、ドラムがNAGASAKAを取り囲むように並び、ソウルを基調としながらもジャズやヒップホップとの親和性が高い演奏を展開。
NAGATSUKAは「みんなブチ上がって行きましょう!」と観客を煽り立てながら、伸びやかでソウルフルな歌声を聞かせる。一方で、バンドはキメや変拍子など、ジャズ特有のマナーをふんだんに持ち込んだタイトな演奏を見せつけ、フロアを揺らしていく。
曲間のMCでは、NAGATSUKAが「みんな元気ですか?眠そうだな(笑)。大丈夫?これからみんなアゲて行きましょう!」と、若干落ち着いてきた観客のムードを察知して活を入れる場面も。
「オシャレな音楽」というジャズのイメージを十二分に生かしたアーバンなサウンドながらも、メロウで心地良い響きは取っ付きにくさもなく、ロック寄りな観客にもすんなりと受け入れられた様子。中でも要所でうなりを上げるサックスのムーディーな演奏には、観客も大いに酔いしれていた。
時折見せるドラムのつんのめるようなリズムは、Hiatus Kaiyoteら海外のアーティストたちにも通ずるまさに世界基準のグルーヴ。凄まじい手数で魅せていくHikaru ARATA(Dr.)のアドリブには、観客からも歓声が上がった。
一旦NAGATSUKAが退くと、そこからバトルのようなソロパートに発展。Kan INOUE(Ba.)の流麗な早弾き、エフェクトにより常に音をユニゾンで奏でるサックスの情熱的なメロディー、そして淡々と上音を担ってきたAyatake EZAKI(Key.)のアグレッシブな演奏に、それぞれ観客から惜しみない拍手が贈られた。
Hall & Oates「I Can't Go For That」のカバーでは、サックスがフルートにチェンジ。まだまだ夜は深いながらも、先ほどまでのアーバンでアダルトな雰囲気からは若干ムードを変え、夜明けへと向かう観客のムードと絶妙にシンクロしてみせる場面も。
終盤には、彼らが敬愛するJ Dillaの楽曲をメドレーで披露。彼らの楽曲自体もJ Dillaからの影響を多分に感じさせるが、圧巻の演奏で独特のグルーヴを見事に再現してみせた。ラストは「savior」でライブを締めくくった。
イベントのラストを飾ったのはサイトウ“JxJx”ジュン。インストゥルメンタルバンド・YOUR SONG IS GOODのリーダーとして活躍する傍ら、ソロとしてもDJやテレビ番組出演など、多方面で活躍している。
サイトウは'70~'80年代のディスコナンバーで、夜明け前のフロアをガンガン盛り上げていく。BPMの緩急を用いることなく、終始アゲっぱなしの展開に、この時間まで残っていた観客たちも思わず踊り狂う。最後は先日急逝した中西俊夫氏に捧ぐプラスチックスの名曲で締めくくり、東京の夜を最後まで沸かせた。
なお、同イベントの模様は4月22日(土)夜9時より、スペースシャワーTVにて放送される。
4月22日(土)夜9:00~10:00
スペースシャワーTVにて放送
※4月28日(金)夜2:00~、5月にリピート放送予定あり