2人は、イベントが行われた江戸東京博物館(休館中)で展示されている「冨嶽三十六景への挑戦 北斎と広重」を鑑賞したそうで、その印象について聞かれた柳楽は「これだけ名作が集結していて、しかもそれすべてが本物という状況に圧倒されました。一つの作品を描く上でもものすごいプロセスがあって、いろいろな人が関わってその一つの作品が仕上がっていると思うので。傑作を目にしてエネルギーをもらいました。パワーをもらったというか。今回、『HOKUSAI』のプロモーションで葛飾北斎の本物の絵をいくつも見られているのはラッキーな経験だなって思いました」と、圧倒されたことを明かす。
田中も「とっても驚きました。確か小さい頃、マッチ箱に冨嶽三十六景が全部印刷されていたんです。それを一生懸命集めていました(笑)。マッチ箱の大きさとは全然ケタが違って大きいんですけど、(絵には)一人一人いろいろな人が出てくるんですけど、克明に体を描いている。その感動ったらないですね。やっぱり北斎だってあらためて思いました」と感銘を受けた様子。
また、自分が北斎を演じてからあらためて見た北斎作品の印象について、柳楽は「自分が演じたというふうに見るというより、今日は葛飾北斎が描いた絵なんだっていうことに圧倒されましたし、90歳まで生きて、人生ずっと絵を描くことに集中して、70歳になってもまだ満足していないっていうようなモチベーションで絵に向き合っていた姿が格好いいなって思いました。絵を見て感じました」と話し、「泯さんも10代からずっと踊りを続けられていて、一つのことをしっかり向き合っている姿、大先輩を見ると勇気をもらえます」と北斎だけでなく、田中への敬意も明かした。
それを受け、田中は「えへへへ」と照れ笑いしながら、「比較にはならないんですが、僕はむしろしがみついて踊りを続けているというところなんですけど…。驚異的ですね。(北斎は)あと5年あったらもっといい絵が描けるようになる、恐らく95歳になったらまた同じことを言うんじゃないかと思います。果てしないものに立ち向かっているというか、想像を絶します。その情熱と言いますか…。こんな言葉で想像できるわけないのに使わせてもらうんですけど、やっぱり本当にすごい力だと思いました」と語った。
5月28日(金)全国ロードショー
配給:S・D・P
(C)2020 HOKUSAI MOVIE