ことし没後20年を迎えた松田優作の秘蔵映像や関係者らのコメントで構成されたドキュメンタリー映画「SOUL RED 松田優作」が11月6日(金)より公開される。
優作の生誕60年目にも当たることしは、本作を中心とする「SOUL RED Project」が展開中。映画公開同日には石橋凌、JOE YAMANAKAらが出演するトリビュートライブが開催されるほか、優作モデルのジーンズ(FULL COUNT)が発売されるなど、さまざまな形で優作にスポットが当てられている。
その優作の妻であり、初の公式ドキュメンタリー映画となる「SOUL RED 松田優作」の監修を務めた松田美由紀が、本作や優作本人に対する思いを語ってくれた。
「今回、映画の製作を決心したのは、彼が亡くなって20年たった今、ようやくわたしが優作を客観的に見られるようになったことが大きいんです。彼の印象は初対面の時から強烈で“ガツン!”と飛び上がるような感じがありましたね。結婚して一緒に暮らすようになってみると、日常会話なんてあまりなかったかもしれません。その代わり、突然ニーチェの写真を持ってきて『こいつはすごい顔しているな…』と言ってみたり、コップをじっと見つめながら『コップってきれいだな。コップを10分間見続けたことはあるか?』って聞いてきたりするんですよ。とにかく感覚的で、生活感のある人じゃなかったですね」と振り返る。
ストイックな役者として広く知られている優作。そのことについて「俳優として役を背負ったまま帰宅することもしょっちゅうでした。作品によっては本当に荒々しく成り切っていて、正直、“いやだなぁ”って思う雰囲気の時も多かったんです。もう、玄関のドアを開ける音で分かるんですよ。今日はどんな感じかって。普通の人って、大人になるにつれて自分を防衛する術を身に付けながら育っていくと思うんですね。でも、優作は自分の心の周りに壁を作らず、むき出しのまま生きた人だったんです。ですからほかの人よりも傷つきやすい面もあったけど、俳優としては役の持っている悲しみや厳しさをストレートに表現できたんだと思います」と、妻ならではの視点からコメント。
そして、「私生活は滅茶苦茶な人でしたけど、本当に格好良い人でもありました。『SOUL RED 松田優作』の中で描かれている、俳優として精神を削りながら生きた優作の姿を通して、“本物の重さ”を感じていただきたいです」とアピールした。
11月6日(金)より新宿ピカデリー、11月7日(土)より丸の内ピカデリーほか全国ロードショー