鈴木香里武(かりぶ)、名付け親は明石家さんま!名前に誕生日・趣味・仕事…魚づくしの深海生物スペシャリストを直撃
――さまざまな書籍を発表されたり、番組に出演されたり、そうした活動を行う上で信条としていることを聞かせてください。
テレビ出演もそうですが、魚の話をするときにいつも心掛けているのは、魚に親しむきっかけ作りをしたいということですね。
僕はそのきっかけがなかったと言ったんですけど、多くの人は魚に触れるきっかけが何かあると思います。それが無くても幸せに暮らせるならそれでいいんですけど、やっぱり魚の世界は、本当にロマンがあふれているので、触れてほしい。環境のことを考えても、ぜひ多くの人に海や魚に興味を持ってもらいたいんです。
今は情報社会なので、きっかけさえあれば自分で知識を深めていくこと、調べることはできます。魚に詳しくなることはできる。ただきっかけを持つことがなかなか難しい。うちはたまたま両親が好きだったのできっかけがあったんだけども、そうじゃなかったら、たまに行く水族館とか、テレビで見るとか、それぐらいしかないんじゃないかと思うんです。
おせっかいですけど、チャンスの少ない人たちにも、ぜひ魚好きになってもらいたいと思っているので、僕はその入り口になるような出方をすごく意識しています。
例えばTwitterやInstagramで、毎日のように魚の映像を発信しているんですけど、そういう場で珍しいリュウグウノツカイの映像とかをアップすれば何も言葉が無くても「いいね!」がたくさん付きます。でもそれはリュウグウノツカイの力であって、それだけではもったいないと思うんです。
どこにでもいるようなメジナとかボラとか、そういう魚の、まだその魅力に気付いていない人たちに、こういう言葉で紹介したら伝わるんじゃないかとか、こういう角度で撮った写真だったらカワイイって思ってもらえるんじゃないかとか、まだ「これから」の人たちに対して伝わる表現をすごく意識しています。
岸壁採集の本だったら、とにかく他の図鑑では見ないであろういろんな幼魚の面白い写真をてんこ盛りにして、「こんなエイリアンみたいなのがいるんだ」っていうところから興味を持ってもらえるといいですね。漁港の足元でこんな魚に出会えるんだ!という身近さを感じてもらえたらうれしいです。
最近出した「魚たちからの応援(エール)図鑑」という本では、魚の生きざまから人間が学べることを書いています。魚の生態を事実として伝えるというよりも、きっかけ、親しむきっかけ、入り口をここに見出してほしいという思いで執筆していますね。
2021年5月30日(日)昼4:05-5:20
フジテレビ系にて放送