第8話はすごく難しい回でした
――ほかにも高橋さんの意見が反映されているところはありますか?
第7話の咲への告白シーンは、最初、弱っている咲に告白することにアレルギー反応を感じました。しかも脚本の準備稿の段階では強めのハグをしていたので、咲の弱みにつけ込むように見えないかな?と思って。もし僕だったら嫌だなと思ったので、監督と話して最初とは違った形のハグになりました。弱みにつけこむような男になってほしくなかったんですよね、貴也には。
――その後、第8話のラストでは咲にやはり付き合えないと振られてしまいました。
第7話の終盤でもう一度やり直さないかと言って、第8話の最後で振られるという。だいぶ早い振られようでしたね(笑)。実は8話の撮影に入るときに髪を切ったので、告白後にめちゃめちゃ気合を入れたように見えるんですよね。髪がだいぶ伸びていたので「切っていいですか?」と監督の了承を得て切ったんですけど、図らずもそうなりました(笑)。
――第8話は、貴也としても切ない回でしたね。
第8話はすごく難しかったです。「俺たち、やり直せないか」と咲の気持ちに一歩踏み込んだわけですけど、同時に紘一さんのさらなる魅力に気付く。そして、紘一さんは咲が好きなんだなということにも気付く。咲とやり直したいと思いながら、紘一さんを認めるという気持ちを1話の中で完結させないといけなかったのでかなり考えました。しかし、振られることは脚本が上がってくる前から想像はついていたので、伏線として、紘一さんに対して嫌悪感を持たないようにしていました。
――紘一がセッティングした咲と紘一の“デイト”シーンでの表情も印象的でした。
あのとき、咲は紘一さんのことをバーっと述べるんですよね。でも、貴也と咲が付き合っていたときはそこまで言葉数は多くなかったと思うんです。だから、とめどなく話す咲を見て、貴也は「あれ?」と気付く。こんな咲は見たことなかったなと。あそこでやっぱり咲には紘一さんが合うのではないかと思い始めていたので、最後に「やり直せない」と言われたときに自分の気持ちと紘一さんの存在の折り合いを付けることができたのではないかと思います。
――好きだからこそ、背中を押してあげる。切ないです。
好きじゃかったら、できないと思います。もう1話ぐらいあったら、さらに切なさを表現できたのではないかと思います(笑)。