夏木マリ「“いい人”になりすぎないように」
――サヤカを演じる上で意識していることを教えてください。
台詞を言う時に、“いい人”になりすぎないように意識しています。百音に対し、優しくなりすぎず、でも頼ってもらえるように常にどんと構えていたいなと思っています。
――サヤカの魅力はどこにありますか?
潔さ、責任感の強さ、器の大きさです。
――サヤカにとって、百音はどんな存在なのでしょうか?
サヤカはずっとひとりで暮らしていました。そんな中で百音がやって来て。若さゆえの迷いを持っていることを感じ取ります。アドバイスをしたり、さまざまな言葉を百音に投げかけるのは、彼女を応援したいという愛からでしょうか。
でもそれらの言葉はサヤカ自身にも言い聞かせているのではないかなと。自分が発した言葉の意味を再確認しているところもあると思っています。
――百音にとってサヤカはとても頼もしい存在ですが、夏木さんに「師」と呼べる存在の方はいらっしゃいますか?
義母ですね。しっかりしていて、明るくて、ポジティブで。「上見て働け、下見て暮らせ」という名言も言ったりして、人生の素敵な先輩だなと思っています。そういう師という存在は、年齢関係なくいくつになっても見つかるのだなと思いました。
――夏木さんが思う「おかえりモネ」の見どころを教えてください。
「循環」でしょうか。森に降った雨が川から海に流れていき、それが太陽の光を浴びて雲になって空に戻り、また雨になって森に降る。また、百音自身も循環していますよね。気仙沼で生まれ育った百音が登米に移り住み、その後上京してまた気仙沼に戻る。私たちはコロナ禍で、地球で生きることについて考え始めたタイミングだと思うので、「自然と人間の循環」がテーマのこのドラマを今お届けするのは意味のあることだと思っています。