菅田将暉主演の土曜ドラマ「コントが始まる」(毎週土曜夜10:00-10:54、日本テレビ系)の第10話(最終回)が6月19日に放送。
売れないトリオ芸人「マクベス」の春斗(菅田)、瞬太(神木隆之介)、潤平(仲野太賀)、そして彼らのファンになる里穂子(有村架純)、その妹のつむぎ(古川琴音)という5人の若者による群像劇となる同作。最後は、マクベスの解散ライブ当日と、5人のその後が描かれた。(以下、ネタバレがあります)
10年歩んできた芸人人生が終わったことを実感した春斗の涙
毎話、ドラマのトップシーンがマクベスのコントから始まり、残りの53分間の物語の重要な伏線としてつながるという異例の構成に唸らされてきた。最終回となる第10話のコントは「引っ越し」。夫婦の荷造りを盛り込んだネタは、その後の物語へとつながった。
解散ライブを終え、関係者を招いての打ち上げを経て、最後は3人だけでラーメン店に行った春斗たち。そこで瞬太が解散は正確にはどの瞬間のことをいうのかを問うと、潤平は「マクベス的には全員がラーメンを食い終わった時が解散の瞬間なんじゃない?」と答えた。芸人を始めるときも、解散を決めたときも、大事なときはいつもラーメンを食べていたからだ。
そのとき瞬太と潤平は食べ終えていて、春斗が食べ終えるのを見つめて待っていると、春斗が漏らした言葉は「意外とうまかったな」というラーメンの感想だった。
しかし、その後、3人で暮らした部屋で引っ越し準備のため荷造りをしているとき、ふいにその瞬間が訪れた。誰が冷蔵庫をもらうかで、いつものようにじゃんけん対決をした3人。あいこが何度も続いたあとに、勝った春斗は大粒の涙を流した。
「このままあいこが永遠に続いてくれたら、この時間を終わらせずに済むような気がした」と春斗の心の声のナレーションがあったように、それは春斗にとってマクベスの終わりを実感した瞬間で、3人でともに過ごしてきた日常の終わりだった。
そんなひとときのリアルさと切なさは、多くの視聴者の涙も誘った。