佐藤健主演「るろうに剣心」音楽担当・佐藤直紀が「最終章 The Final/The Beginning」の表現の違いを語る
佐藤健主演による映画「るろうに剣心 最終章 The Final」(公開中)と「るろうに剣心 最終章 The Beginning」(公開中)の表現の違いについて掘り下げる第3弾は、今シリーズ全ての作品で音楽を担当した佐藤直紀のコメントを紹介する。
金髪のキャラクターもいれば、戦い方も従来の時代劇とは異なる、いわゆるリアルな時代劇ではない「るろうに剣心」。佐藤直紀は、日本の時代劇という狭い視野で捉えるのではなく、大きく広がる可能性を見いだせるエンターテインメントとして捉えて、音楽を制作していったと、映画「るろうに剣心」公式noteに掲載されたインタビューで語っている。
大友啓史作品の音楽の作り方について、「監督はいつも、音楽的なことよりもキャラクターたちの思いを伝えてくれます。そこから始まるんです。そして、“これをやってはいけない”“あれはやってはいけない”ということを決して言わない。受け入れてくれるストライクゾーンが広い監督です。作品的にも、映像的にも、ストライクゾーンが幅広いので音楽的には作りやすいですね」と語る佐藤直紀。さらに、大友監督の音楽へのこだわりを“予定調和”を嫌い、“グルーヴを求める”と話す。
「音楽と映像があまりにもバシッと合致していることを嫌がるんです。音楽が狙いすぎていたり、ハマりすぎているとダメ。どこかズレていてほしいんですね。どのくらいのズレ具合を狙っていくのか、最初は分かりませんでしたが、仕事を重ねるうちに僕が監督に合わせようとせずとも、いいポジションが見つかっていきました。また、映像にライブ感やグルーヴを求めています。ときには、スタッフがあまりにまとまりの良いものを提示すると、それをぶち壊すところからリ・スタートします。それがスリリングで気持ちがいい。1回出来上がったものを壊すと、臨場感や高揚感が倍増します」と大友組ならではの音楽の創作ポイントを明かす。
そうしたこだわりを継続しつつ、今回の「The Final」では、映像には表れていない部分を音楽であぶり出すことを意識したとのこと。
「例えば、アクションのシーンでも、その裏にある人の思いをあぶり出すことで、作品に深みを与えたいと思いました。『るろうに剣心』を楽しみにして劇場に来てくれた方の気持ちは裏切らない。しっかり楽しませる。一緒に盛り上げる。そこを踏まえた上で、そのようなことに挑んだのが『The Final』です。見終わったときに、しっかり余韻が残るように気を付けました」と、「The Final」での音楽制作に込めたこだわりを語る。
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【HP】wwws.warnerbros.co.jp/rurouni-kenshin2020/