板垣李光人インタビュー
ーー今回「戸定邸」にあらためて来てみていかがですか?
昭武として過ごした期間があるからか、撮影前に来たときよりもちょっと懐かしい感じがするというか、前回とは少し違う感じです。
ーー演じるにあたり、どのような役作りをしましたか?
時代劇には所作があります。基本となる所作をおさえながらも、昭武の動きも考える必要がありました。普通のドラマだとそこまで動きを考えることはないですが、時代劇ならではの動きの作り方でした。
――日本の代表としてパリへ向かう場面では、どのような気持ちで演技しましたか?
「大河ドラマで昭武役を演ずる重圧」と「国を背負う重圧」、規模は異なりますが、どちらにも責任という意味で相通じるところがあります。その時に自分は重圧を感じていたのですが、昭武は慶喜から「次の将軍」として見据えられていたほどの人物ですから、重圧が出過ぎないように演じました。
ーー海外にいる間に幕府がなくなってしまうという、短い間に情勢が変わる激動の時代だったと思います。昭武が日本へ戻ってくるときの気持ちをどう表現しようと思いましたか?
昭武は、パリにいるときに日本がどうなったかを知ります。彼は常に先を読んでいるし、読めていますから、パリにいる間もあまり動じません。そこを大事にしました。帰国後のシーンもすごく素敵になっているので楽しみにしていただきたいです。
ーーフランスに行っている間に幕府が倒れてしまう運命についてどう思いますか?
あの年齢で日本を背負って海外に行くなんて考えられません。自分だったら絶対無理だと思います。何千里も離れた異国で、いろいろと起こっている日本に何もできないもどかしさを感じながらも、それでも前を向いて進んでいこうとするのはとても魅力的。尊敬するところです。
ーー昭武の役を演じて、今後、役者として彼から取り入れたいことはありますか?
昭武のスケールが大きすぎるので、学ぶ姿勢や、大変な状況で帰国してからもしっかりと生きていこうとする気の持ち方は大事にしたいと思います。
ーー前回の放送回から本格的にドラマに登場しました。感想はいかがですか?
いつも見ているオープニングに自分の名前が出ているのを見て「おっ!」と思いました。撮影しているとあまりわからないですけど、自分がその世界の中にいるというのは嬉しく感じます。
ーー「青天を衝け」をご覧になっている方々に一言。
パリを表現したCGですとか、幕府がなくなったときに昭武や渋沢たちはどうするか、渋沢との関係はどうなるのかなどを楽しみにしてほしいです。外国に行くという印象的なブロックは、「青天を衝け」をすべて見終わったあとにも心に残ると思います。