まずは僕らも月30万円を大竹さんから…
尾関「どちらかというと、僕がきたろうさんや斉木さんタイプで、高佐は意外と大竹さんっぽい。好きなことしかやりたがらないし。嫌な仕事だと不機嫌な顔をするから、たまに『何なんだ!』と思うんですよ。でも、きっと高佐には高佐の正義があって。そこは仕方ないのかなと。僕にもダメなところがあるし。それでも、お互いに面白いと思うところは一緒なので、これからも続けていける気がします」
大竹「今、二人を見ていると、すごくもどかしい。劇場を満員にしたいのか、テレビを中心に生きていきたいのか。劇場で思いっきりハネればテレビの仕事は来ると思うんだよ。でも、逆にテレビでウケようとして消えていった芸人もたくさん見てるから、ちょっと心配になるね」
高佐「耳が痛いですね」
尾関「劇場を満員にすることを目指していたんですけど、何となく限界を感じてテレビの方に気持ちが向いてしまった感じですね。結局、今大竹さんが言った消えていく芸人のルートを歩んでしまっているなという思いも正直あります」
大竹「やりたい、やりたくないに関わらず、大事なのは自分の王道をどこにするか。テレビなのか、劇場なのか。自分たちで王道を決めたら、自ずと好きなこともできるんじゃないかなぁ」
高佐「王道かぁ。心に響きますね」
大竹「良いこと言ったでしょ(笑)」
尾関「いや、本当に! 実際、王道を見つけられてないですもん」
大竹「今後、何がチャンスになって、いつ芽が出るかは分からないけど、まずはそこだな」
尾関「最後は思いのほか、シビアな話になってしまったんですけど、ちゃんとした相談もできてよかったです。娘にいい親父としての背中を見せるためにも、早く売れないとですね」
高佐「僕も予想外に心がえぐられてしまって(笑)。月並みな言葉ですけど勉強になりました」
大竹「二人とも素養があるんだから、もっと伸びるはずだよ。二人が劇場をいっぱいにする夢を見るよ」
高佐「その言葉に応えたいです。そのためにも、まずは僕らも月30万円を大竹さんからいただきたいです!」
大竹「断る!」
二人「早っ(笑)」
大竹「あとは、ちゃんと地獄を見ようとしないとね。信念を通すということは、地獄を見るということだから。その覚悟を決めてほしいなと。うん、いい話だ! こんなに濃い話になるなんて、俺も予想外だったよ(笑)」
取材・文=吉田光枝
ざ・ぎーす=高佐一慈と尾関高文からなる日本のお笑いコンビ。「キングオブコント」(TBS系)では、2008年、2015年、2018年、2020年のファイナリストに。
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