<WHY@DOLL>結成10周年で1日限りの復活ライブを開催!“新曲”も初披露
数多くの名曲を持つWHY@DOLLだが、この日のセットリストは「いまの自分たちが歌いたい曲」を厳選したものとなった。2019年11月以来、もう体験することはできないかもしれないと思われていたパフォーマンスが今、目の前で繰り広げられている――。ブランクを感じさせない歌とダンスは、こんな時勢の中でも、2人が健康に留意しながら、この再会ライブの開催に大変な情熱を注ぎ、スキルを保ち続けていたかを見事に物語った。
休止前と異なっていたのは、ファンの熱い声援がなかったこと。誰もが声の限りにコールを送りたかったに違いないはずだが、発声禁止ゆえ、手拍子や目線で愛を表現するしかない(マスクにメッセージを書き込んだファンもいたけれど)。
しかし舞台上の2人はそれを確かに受け取り、パフォーマンスの燃料とした。ちなみに、この日のライブはWHY@DOLLにとってコロナ禍での初ステージにあたる。
音楽とタイミングがぴったり合ったライティングは、WHY@DOLLが定期公演をしていた渋谷のライブハウス「Glad」(2020年5月閉店)の元スタッフが監修したと聞く。音響もメリハリがあり、なかでも低音がすごくよく出ていたことは特筆したい。「Dreamin' Night」のキック、スネアには喜びの声をあげたくなった。
WHY@DOLLの音楽はオケ(伴奏トラック)も含めてすべてが充実しているなという快さに再び浸り、コロナ禍の前に作られた楽曲の、これからはもう二度と望めないかもしれない澄み切った明るさに切なくもなった。