篠田の回答は「舞台」。「舞台を見るのも、出るのも好きです。そういう意味ではAKB48と出会えたこと(が運命的な出会い)ですね。劇場でステージに立つ緊張感とか、舞台はお客さんがいて初めて一つの作品になるというか、自分だけじゃないエネルギーでこんなにも変わるんだなっていう刺激がいつもあるので、やめられないものというか、好きなことですね」と笑顔を見せた。
三池は「出会いということであれば、自分が監督になったのは30歳ぐらいなんですが、その頃全盛期だったVシネマです」と答え、「それぞれの街の駅前に1軒や2軒、レンタルビデオ屋があって、自分の仕事はそこの棚を埋める“ややバイオレンスチックな作品”を作ることでした。地方の孤独な青年がメインのお客さんで、すごく自由に作れたし、すごく楽しかった。そういう作品を見て、『この監督にこういうのを撮らせるといいんじゃないか』と、これまでと違うところにグイグイ引っ張ってくれた、最初のきっかけを作ってくれたのが中沢(敏明)さんというプロデューサーでした。実は今回の舞台も中沢さんの企画なんです」と明かす。
続けて「もしあの頃に『誰が見るんだよ』っていうVシネマを撮ってなかったら、中沢さんの目に留まることもなく、出会うこともなかったと思います。そういう点で、この『醉いどれ天使』には、自分の思いもよらない場所にたどり着いた“運命”みたいなものを感じています」と、大切な出会いとそれが今につながっているエピソードを明かした。
感動的な話をした後、「もう1人、出会いというと“妖怪”ですね」と、胸ポケットからアマビエを取り出し、「8月13日から『妖怪大戦争 ガーディアンズ』が始まりますので、そちらの方もよろしくお願いします(笑)」と自身が監督した新作映画をちゃっかり宣伝し、会場を和ませた。
舞台「醉いどれ天使」は、9月3日(金)から20日(月)まで東京・明治座にて、10月1日(金)から11日(月)まで大阪・新歌舞伎座にて上演。
◆取材・文=田中隆信