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「THE FIRST TAKE」の“Mステ化”が進行 アーティストにとっての至高のステージに

2021/07/28 19:02


大きな反響を呼んだ要因として、「THE FIRST TAKE」が確かなパワーを持つ情報発信媒体であることも当然無関係ではない。「一発撮りで、音楽と向き合う」というコンセプトのもと、2019年11月に誕生した同チャンネル。これまで、adieu(上白石萌歌)、YUI、秦基博、優里など、幅広い世代のアーティストが出演し、チャンネル登録者数は7月28日現在で472万人を数える。

「THE FIRST TAKE」のクリエイティブ・ディレクションを務めるアートディレクター・清水恵介氏によると、「ライブで体験するような“再現性のない音楽の楽しみ方”にこそ、価値があるのではと思い、一発撮りで音楽に向き合う企画をたてた」とのこと。

清水氏が言うように、“一発撮り”というギミックを用いたことで収録済の映像でありながら、ある種のライブ感を生じさせることに成功し、歌い手から伝わる真剣勝負の雰囲気が、「THE FIRST TAKE」を唯一無二のものたらしめていると言える。

「Mステ」がこれまでに果たしてきた役割


こうした「ライブで体験するような再現性のない音楽」を楽しめる、地上波でレギュラー放送中の音楽番組といえば、「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)が挙げられる。1986年10月にスタートし、今年で35周年を迎える同番組。サザンオールスターズやMr.Children、B'z、スピッツなどの国内の大物が度々出演し、加えて、エアロスミス、オアシス、ジャスティン・ビーバー、ビリー・アイリッシュなど海外のビッグネームも生パフォーマンスを披露し実績があるなど、ラインアップの豪華さは他に類を見ない。

また、2003年にはロシアのアイドルデュオ・t.A.T.u.が起こした伝説の“ドタキャン事件”を筆頭に、生放送ならではのハプニングが頻発することでも知られ、ニュース性にも富んでいる。もちろん、放送開始時から現在に至るまでの35年間、数多くの音楽番組が生まれては消える中で、アーティストの新曲披露の場としての役割を果たし続けていることも見逃せない。こうした歴史の上積みと話題性によって「Mステ」は、日本音楽番組における権威的立場を確立していると言っていい。

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