――お互いの作品はチェックしていましたか?
桃月:アンジェが出るって知ってから「仮面ライダーセイバー」を見始めました。ドラマに出演するのが初めてって聞いていたんですけど、演技が初めてという感じがしなくて、なんか悔しかったです。私は今作が初のドラマというわけではないのに、全然お芝居がうまくないので。アンジェは初心者なのに上手でずるいな~と思いながら見ていました(笑)。
アンジェラ:ヨドンナは、出演するたびにネットで記事が書かれたりして、反響がめちゃくちゃすごかったっていう記憶が強いです。逆に私は神代玲花として登場した当初、物語の中で暗躍するような役柄だったこともあって、あまり好かれてなかったんですよ。ネットで悪口書かれることもありましたし…。でも、ヨドンナは「#ヨドンナ様しか勝たん」が毎週毎週トレンド入りしてるから、正直羨ましかったです。
桃月:でも、ヨドンナが死んだ翌週に、サーベラに初めて変身したんですよ。ちょうどそれがバトンタッチみたいな感じで、めちゃめちゃバズってて、なんか悔しかった。「私の場所取られた!」みたいな気持ちがちょっとあったりしましたね。「みんな、ヨドンナのこと忘れて、サーベラ様、サーベラ様ってさ。ヨドンナから流れやがって浮気者め!」って思いながらTwitterのトレンドを見てました(笑)。
周囲の反響「たくさんの人が知ってくれた」
――それぞれ個性的な役柄ですし、周りからの反響もすごそうですね。
桃月:それこそ、「キラメイジャー」とは関係のない場所でも「ヨドンナ様」って声をかけられることが増えましたし、自分のことをヨドンナきっかけで、たくさんの人が知ってくれたという実感があります。
アンジェラ:私を応援してくれる方々の層が広がったように感じます。「装動」っていう仮面ライダーの食玩フィギュアシリーズがあるんですけど、Twitterを見ると、ママさんが、これは息子用にサーベラは私用に…みたいに好いてくださっているんですよ。そういう親御さん世代の方々の反応がめちゃめちゃうれしいですね。
――役を演じる上での難しさはありましたか?
桃月:私が小学生時代に見ていた戦隊シリーズの悪の女幹部はヒーローを嘲笑ったり、高笑いしたりしてるイメージでした。でも、ヨドンナは感情が見えないし、笑うこともあまりなくて、ただヨドン皇帝の命令に従って動くだけのキャラクターです。なので、自分が今まで思い描いてきた女幹部像には寄らないように演じていました。
アンジェラ:サーベラって難しい言葉遣いが多いんですよ。それこそ“お兄様”なんて、普通言わないじゃないですか。きっとサーベラは、小っちゃい頃からお兄様、お兄様って言い続けてきたはずなんですよね。だから、私も口を慣らそうと思って、家でめっちゃ“お兄様”って連呼してました(笑)
――ヨドンナのスピンオフ作品「ヨドンナ」が、アプリサービス「東映特撮ファンクラブ」で8月から配信されます。このお話を聞いた時、桃月さんはどのように思いましたか?
桃月:「僕でいいんですか?」という気持ちになりました。ただ私としては、ヨドンナという役が非常に好きなので、また演じられることがすごくうれしかったです。それに、YouTubeの予告動画の再生回数がすごくて、動画公開初日で10万再生を超えたんですよね。それくらい皆さんが待ち望んでくれていたのかと、ありがたい気持ちになりました。
――アンジェラさんは、「仮面ライダーセイバー」でドラマ初出演に続いて、7月22日公開の映画「セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記」で映画初出演になります。
アンジェラ:今回の映画は仮面ライダー50周年とスーパー戦隊45作品を記念した作品で、いろいろなヒーローが集結しているのですが、私も仮面ライダー・サーベラとして出演します。スクリーンで見た時にどれだけ迫力のある映像になるのか楽しみですし、個人的には初映画で変身できることがうれしいです(笑)。
――最後にファンの方へ向けてメッセージをお願いします。
桃月:ヨドンナは本編のほうでは割と冷酷なキャラクターで、非情な最期を遂げました。でも、今回配信されるスピンオフの「ヨドンナ」では今まで見られなかった彼女の意外な素顔が披露されています。ストーリーでは喜怒哀楽を学んでいくのですが、その過程でヨドンナのいろんな表情が見られるはずなので、そこを楽しんで見て欲しいですね。
アンジェラ:「スーパーヒーロー戦記」はアニバーサリー作品としてかなり壮大な内容となっています。仮面ライダーセイバーが好きな方、ゼンカイジャーが好きな方、昔から特撮が好きな方、みんなが楽しめるような作品になっているので、ぜひ劇場に足を運んでいただけたらと思います。
取材・文=こじへい