実業家でタレントのROLANDが8月11日、オンラインで開催された「21/22 ドイツ ブンデスリーガ開幕 オンラインイベント」に登壇。ブンデスリーガ2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフへの期限付き移籍のために渡独する田中碧選手と、田中選手の川崎フロンターレ時代の先輩である中村憲剛氏と共に、豊富な知識でブンデスリーガの優勝予想を繰り広げた。
ブンデスリーガ前人未到の10連覇を目指す絶対王者・バイエルンに、ライプツィヒ、ドルトムントといった各クラブが挑む今季。日本人選手も過去最多の8人が挑む注目のシーズン開幕とスカパー!での生放送を控えて行われたイベント。タレントで実業家のROLANDが「ブンデスリーガジャパンサポーター」に就任したことも発表された。
3人で今季ブンデスリーガの優勝チームを予想!
中村氏と田中選手は「バイエルン・ミュンヘン」を挙げ、それぞれ「9連覇の底力はやはり侮れない。監督が変わってどこまでその方針を浸透させられるかが大きな見どころ」「前監督時代とはひと味違う動きを見せてくれると思うので楽しみ」と、今年(2021年)7月23日に34歳になったばかりのユリアン・ナーゲルスマン新監督の采配に期待のコメント。
一方、ROLANDは「バイエルンは確かに強いけど、プレシーズンマッチを見た感じ、監督ナメられてるのかな、と。キーパーを抜いて外すなんてこと、監督に威厳があって怖かったらやらないはずなんですよ。まぁそれをやった選手はレンタルで飛ばされたけど(笑)、案外まとまってないんじゃないかな。結局3連敗であんまりよくなかったし」と監督交代の影響がしばらくは悪い方に出るのではないかとの予測を披露した。
さらに、「あとはジンクス的なものだけど、ユーヴェ(イタリア・セリエAのユヴェントスFC)が10連覇逃したり、10という数字はわりと鬼門なんじゃないのかなっていうのも」とした上で、自身はボルシア・ドルトムントを優勝候補に挙げた。
「ドルトムントは普通に(アーリング・ブラウト・)ハートランド中心にチーム作りをできてるし、あとはオランダのPSVアイントホーフェンから新しく加入した(ドニエル・)マレンもいいですし。若い世代、16歳の(ユスファ・)ムココとか、あのへんが火がついたらあるんじゃないかなって。わりと本命です」とプレゼンテーションしたROLAND。中村氏にも監督がなじみきれてないという点について「それは僕も感じました…」と同意されていた。
ここで、ドイツからオンラインで参加していたVfLボーフムの10番・浅野拓磨選手にも水が向けられたが、浅野選手は「全然見てないので分からんです」と苦笑。「正直サッカーもあんまり見ないんですよ、他チームのことは全然気にしてないです」という回答に、ROLANDは「ストライカーっぽくていい、ゴーイングマイウェイな感じ」と大ウケ。
中村氏も「フォワードはそういう選手多いんですよ。見るとしても、自分のプレーや他の選手のゴールシーンだけ何度も見るとか。僕も何度も繰り返し見るけど全体的に把握するためで、その選手はその選手として考えて見てる。映像から自分のプレーに何か取り入れようとするのはフォワードだけだと思います」と解説。「僕らMFの頭とは、中身、脳の構造が全然違う。じゃないと点を取れないですもん。取るか取らないか。僕らとは次元が違う考え方をしてるんです」と分析していた。
一方、同じくMFの田中選手は、「僕は全部参考にして取り入れようとしちゃうタイプです。盗みたくなっちゃう」と、一見反対のコメント。ROLANDに「そういえば(田中選手は以前)ブスケツ選手(セルヒオ・ブスケツ・ブルゴス/FCバルセロナ)を好きとか言ってて、確かに入れ替わるトラップの仕方とか似てるなって…」と指摘されると、田中は「好きです。ゲームと、時間と、ボールをコントロールできる1つのタッチとかパスとかすごい」と照れた表情に。
実はそれも中村氏に「すごい見ろって」言われた映像の1つだそうで、ROLANDがその教えの全貌に興味を示すと「それだけじゃないけど、中盤の選手はそういうのができないといけないって話を、どれだけ話をしたか…これ話すと長いですよ…」と中村氏。ROLANDは「それめっちゃ聞きたいな!(笑)」と身を乗り出す勢いで食いついていた。
最後に渡独後の具体的な目標を問われた田中選手は、「まずは個の部分を伸ばしたいなと。対外国人選手で毎日ってなかなかできる経験ではないので、1対1で負けないよう、自分がどれだけできるのか。攻撃も守備ももっと伸ばしていかないと追いつけないと思うので、意識して取り組みたい。それと、やっぱりゲームをコントロールすること、後ろからしっかりつなぐこと。点を取るのが評価につながるので、そこにもよりフォーカスしてこだわっていきたいです」とコメント。
現在、ブンデスリーガのVfBシュトゥットガルトで活躍する“相棒”遠藤航選手については「やっぱりすごいなと。ずっと横でプレイしてきたけど。戦う部分、1対1で負けない部分が特に」とコメント。さらに、「航くんだけじゃなく、これまでもたくさんの日本人選手の方々が、日本人選手としての価値っていうものを上げてくれてるからこそ、僕が移籍できてると思う」と語った田中選手。
「僕も、これからの日本サッカーのためにも、自分のためにも、少しでも日本人選手の価値を上げていきたい。オリンピックで悔しい思いをしたし、W杯でいい結果を残せるようドイツで頑張りたいなと思います」と力強い表情を見せていた。
「21/22 ドイツ ブンデスリーガ」は、現地時間8月13日に開幕。スカパー!では全試合生中継/LIVE配信予定。
◆取材・文=坂戸希和美