【春ドラマの顔】「ひよっこ」有村架純『今までの私じゃないものが見られる役』
激動の1960年代を舞台に、地方からの若年労働者“金の卵”として上京し、見知らぬ街・東京で懸命に生き抜く少女の奮闘を描く、連続テレビ小説「ひよっこ」(NHK総合ほか)。「あまちゃん」('13年NHK総合ほか)でブレークして以降、快進撃を続ける有村架純が、奥茨城村の小さな農家でのんびりと育った少女・谷田部みね子を演じる。
「みね子はちょっと天然なところがあって、一生懸命だからこそ空回りしてしまうような女の子です。でも、とても素直な子なので、あまり考えすぎず、そのときに感じたことを素直に出していけたらなと思っています。あと、みね子にとって故郷となる奥茨城村は、東京と違って目線の先に何もないんですよね。それがすごく気持ちよくて、この開放感や爽快感は久しぶりだなと思いました。みね子は高校を卒業すると、集団就職で東京に行くことになるのですが、ずっとここで撮影していたいと思うぐらいとても心地のいい場所でした」
脚本を手掛けるのは、「ど根性ガエル」('15年日本テレビ系)などの岡田惠和。朝ドラは「ちゅらさん」シリーズ、「おひさま」('11年)に続く3度目。
「岡田さんの脚本は、温かくて、人の優しさや愛情が押し付けがましくないのがステキだなと思います。私はみね子を演じさせていただいていますが、みね子だけでなく、どのキャラクターも背景がきちんと描かれていて。だから、皆さんがあってのみね子というのが実感できるし、どのキャラクターも生き生きとしているんですよね。今回、岡田さんは、今までの私じゃないものが見られる役だとおっしゃっていて、実際にみね子はとても喜怒哀楽が激しい役なので、あまり見せたことのない表情がたくさん映っていると思います」
出稼ぎ先の東京で父・実(沢村一樹)が行方不明になり、集団就職で上京することにしたみね子。そこで出会った人々が彼女を成長させていく。
「私も兵庫県から上京するときに、誰も知り合いがいなかったので、不安でした。だけど、私の場合、これから女優の仕事を始めるというのもあり、わくわく感の方が大きかったですね。だから、そこはみね子と違うのですが、人との出会いで成長していくというのには、とても共感できます。私も上京する前は何も考えてなかったし、自分と向き合うことなんて一切なかったんですが、仕事を始めてから出会った方々とお話するうちに、自分を知ることは大事なんだと学び、物事の考え方がとてもポジティブになりました。私自身、これまで出会った方々の影響を受けて今の自分があるので、そこはみね子とすごく重なる部分だと思います」